アンジュリーゼ物語
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第4話 さよならアルゼナル
前書き
ドラゴンの大群との戦いで、かなりの被害を出したアルゼナル。
そして、アルゼナルの隊員の中にドラゴンが紛れ込んでいたという事実。
アルゼナルのブリーフィングルームにて、リベルタスの会議が開かれた。
ジル「我々は、ドラゴンの排除と称した人殺しを行われされてきたのだ。」
ヒルダ「とんでもねえことさせやがるぜ、人間め。」
ロザリー「人殺しで金儲けしてきたのか。だったらもっと金が欲しいぜ。」
クリス「がめついね、ロザリー。」
サリア「ドラゴンは一体何の目的でこの世界に攻め込んできたのかしら。」
ヴィヴィアン「あたし、ドラゴンだったなんて。記憶がないけど、ドラゴンだったなんて。」
アンジュリーゼは、リベルタスには興味がないということで、大きな窪みに放りこまれたドラゴン達の焼死体の前で黙祷を行っていた。
アンジュリーゼ「ドラゴンに変身して殺された人たち、安らかに…。」
突如、アルゼナル所内にてこんな放送が行われた。
ノーマ管理委員会の女性「ノーマの皆さま、ドラゴンの大群との戦闘、そして大きな被害にあわれたアルゼナル内での生活、お疲れ様です。これから国際救助艦隊が皆さんの救助を開始します。武器を捨て、脱出の準備をしてください。水に食料、衣料品など救援物資を豊富に用意してあります。」
リベルタスの会議に参加していた者たちは、人殺しを行わせた組織からの救助を受け入れる気などなかった。
彼らに助けられるくらいならドラゴンに殺される方がまし、そう思っていたのだ。
そしてジルは、アルゼナル所内にこんな放送をした。
ジル「さっきの放送は戯言だ。全員、武器を持って迫り来る艦隊に対処せよ。」
彼女の言うとおりである。戦艦にはノーマの救援物資は積まれてなく、ノーマ殲滅用の武器のみが積まれている。
アルゼナルの隊員達は、武器を持って白兵戦の準備をしたり、砲台の操縦席に座ったり、パラメイル格納庫に向かったりした。
「国際救助艦隊と称したジュリオ艦隊」の大佐であるジュリオ・飛鳥・ミスルギは、自分達に砲口が向けられていることを確認。
ジュリオ「全艦隊に告ぐ。アルゼナルの隊員達は、こちらからの救助を拒否した。これは我々への、否、全人類に対する明確な反逆である。断じて見過ごすわけにはいかん。これよりノーマの殲滅を開始する。全艦隊、攻撃開始!」
ジュリオ艦隊が、アルゼナルに向かってミサイルを撃ってきた。
そのミサイルを撃ち落としていくアルゼナル隊員。
撃ち落とし損ねたミサイルの着弾音がアルゼナル所内に鳴り響く。
ヒルダ「やっぱりあいつら、あたいらを助けるつもりなんてないんだ。」
ジル「その通りだ。仮に我々が反抗しなかった場合でも、我々を物のように回収し別の場所で別のことに従事させるつもりなんだ。それを望む者は投降しろ。拒否するなら私に付いてこい。」
パラメイル格納庫にて。
パラメイル第三中隊の隊員たちは、パラメイルに乗って飛び立って迎撃を開始した。
第一中隊の隊員たちも、パラメイルに乗るつもりだったが、ピレスロイドの自爆によって滑走路に瓦礫が積まれ、発進できなくなった。
仕方なく白兵戦で対処することにし、迫り来るピレスロイドを銃弾で破壊していった。
そしてジュリオ艦隊の兵士達がアルゼナルの所内に入り込んだ。
アルゼナルの隊員たちは、武器を持って彼らの迎撃を開始する。
幼年兵は、ハンドガンを持って迎撃をしようとする。
ジュリオ艦隊の兵士たちは、彼女達を見くびっていた。
パトリシア「子供だからと言って、馬鹿にしないでよね。」
ヴェロニカ「あたしの射撃、見せちゃうんだから。」
ジュリオ艦隊の兵士「女児風情が!」
彼女達のプロ並みの射撃力により、彼女達と対峙した兵士達は射殺された。
幼年兵たちは、リベルタスに備え秘密裏に訓練されていたのだ。
ジェイミー「エルシャ隊長に見せてあげたかったな。」
一方、指令室の3人娘(パメラ、アキラ、オリビエ)とジルは、空母アウローラに乗っていた。
アンジュリーゼは、サリアから嫌々銃剣を授かり、ジュリオ艦隊の兵士を殺さずそのまま逃げることを考える。
そして兵士たちに銃口を向けられた。
自分はもうここまでかと思う中、
ジュリオ艦隊の兵士「アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ、武器を捨てて投降せよ。これより身柄を拘束し、ヴィルキスと共に護送する。」
アンジュリーゼ「お主ら、国際救助艦隊の兵士だな。忘れておらぬか。私はミスルギ皇国の第一皇女なるぞ!私に銃を向けた者どもよ、今ここで成敗する!」
アンジュリーゼは、銃剣の刃物の部分をジュリオ艦隊の兵士に向けて接近する。
その時、謎の美青年が、アンジュリーゼの前に現れた。
???「殺生は嫌いではなかったのかな、皇女様。」
ジュリオ艦隊の兵士「何者だ!まさか、アルゼナルの隊員か!?」
エンブリヲ「私はエンブリヲ。ジュリオ艦隊の兵士達よ、そこをどきたまえ。」
ジュリオ艦隊の兵士「邪魔をするなら貴様も抹殺する!」
するとエンブリヲは、念力で彼らを排除する。
アンジュリーゼ「お主、エンブリヲと言うのか。それで、このミスルギ皇国第一皇女に何か御用か!?」
エンブリヲ「君は神の兵器・ヴィルキスを覚醒させたのだね。中々の皇女だね。アンジュリーゼ。」
アンジュリーゼ「それがどうしたと言うのだ。」
エンブリヲ「ヴィルキスの操縦テクを見せてほしい。格納庫まで私がついて行ってあげるよ。」
アンジュリーゼは、エンブリヲにジュリオ艦隊の兵士を排除してもらいながら格納庫にたどり着く。
しかし滑走路が使えない。
エンブリヲ「ジュリオ艦隊は本当にやっかいな存在だ。」
アンジュリーゼ「ヴィルキスは…、どうするのですか?」
エンブリヲ「私がどうにかしてやろう。ヴィルキスのコックピットに乗りたまえ。」
アンジュリーゼは言いつけ通りヴィルキスのコックピットに乗った。
そしてエンブリヲは、そのヴィルキスを念力で浮かせた。
アンジュリーゼ「これで、空中で発進できるのですね。」
アンジュリーゼは、空中でヴィルキスを発進させ、アルゼナルの外に出た。
そして迫り来るピレスロイドをライフルで破壊し、ジュリオの乗るエンペラージュリオ一世という戦艦に接近する。
そしてその戦艦にライフルを向ける。
ジュリオ「アンジュリーゼだな!?その機体に乗っているのは?」
アンジュリーゼは、機体から顔を出し、ジュリオと対話をする。
アンジュリーゼ「その通りです、お兄様。」
ジュリオ「で、何故武器を向ける!」
アンジュリーゼ「今すぐ全兵士に攻撃をやめさせるのです。今すぐに!」
ジュリオは、自分の率いる兵士に攻撃をやめさせた。
ジュリオ「言いつけ通り攻撃をやめさせた。で、なぜまだ銃を向けている!?」
アンジュリーゼ「貴方達は、ドラゴンに変身した人間たちをノーマ達に殺させていたのですね!?」
ジュリオ「それがどうした!?」
アンジュリーゼ「相手が人間だということを知っててさせたのですか!?」
ジュリオ「ドラゴン達が人間だなんて、思いもよらなかった!」
アンジュリーゼ「許しません。彼女達に人殺しをさせるなど。皇女の顔も三度です。今ここで成敗します!覚悟なさい!」
ジュリオ「君を皇室に復帰させてやる、だから殺さないでくれ!」
アンジュリーゼ「信用できません!」
アンジュリーゼは、ヴィルキスのソードを、エンペラージュリオ一世に向けて振り降ろそうとした。
すると、エンブリヲがラグナメイルに乗って表れた。
ジュリオ「エンブリヲ様、その女を排除してください!今すぐに!」
エンブリヲ「アンジュリーゼ、君のその怒りは中々のものだ。しかしその怒りがあだとなって人を殺めてしまうのは痛いものだ。」
アンジュリーゼ「確かにその程度ですね、エンブリヲ様。で、ジュリオ艦隊はどうするのですか?」
エンブリヲ「アルゼナルまで離れてもらえないかね?」
アンジュリーゼは言いつけ通り、アルゼナルに戻った。
エンブリヲは、ラグナメイルから収斂時空砲を放ち、ジュリオ艦隊を一掃した。
そしてアンジュリーゼは、エンブリヲの所に行く。
アンジュリーゼ「中々凄い力の持ち主ですね。で、これから私はどうすればいいのですか?」
エンブリヲ「皇室に戻りたいのだろう?」
アンジュリーゼ「はい、戻りたいです。でも民から罵声を浴びせらないかどうか不安です。」
エンブリヲ「安心したまえ。わたしがミスルギ皇国民を更生させてあげよう。もうミスルギ皇国にもどっていいのだ。」
アンジュリーゼ「わかりました。エンブリヲ様。」
アンジュリーゼは、ヴィルキスの燃料をミスルギ皇国にたどり着けるくらい補給した後、ヴィルキスに乗ってミスルギ皇国に向かって飛んでいく。
一方、生き残ったアルゼナルの隊員の一部は、アウローラに乗り、アルゼナルから脱出した。
ジル「アンジュは、自分の信じる道を進んだようだ。彼女が死なぬよう、お祈りするのはどうだ?」
後書き
・次回予告
ミスルギ皇国の宮に戻って来たアンジュリーゼ。
そこでは、第二皇女や筆頭侍女も待っていた。
また、ミスルギ宮にやってきたアルゼナル隊員はアンジュリーゼだけではなかった。
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