| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十一話 レトロゲームその五

「それだけでな」
「それで立派って」
「さっき話が出たな」
「話っていうと」
「そうしたことが出来ている人は少ない」
「だからなんだ」
「そうだ、君の父上は立派だ」
 そうだというのだ。
「それだけでな」
「そういうものなんだね」
「世の中酷い輩も多い」
「暴力を振るったりとか」
「奥さんや子供に暴力を振るう輩はだ」
 かなりはっきりと嫌悪を出してだ、留美さんは言った。
「生きていなくていい」
「嫌いなんだ、留美さん」
 そうした人とだ、僕は問うた。
「心から」
「その通りだ」
 留美さんもそうだと返してくる。
「私はそうした輩が大嫌いだ」
「それでそう言うんだ」
「借金も嫌いだし子供の世話をしない親もだ」
「全部なんだね」
「嫌いだ、中には全て揃った輩もいる」
 その留美さんの嫌いな要素がだ。僕も嫌いだけれど留美さんはその僕よりもさらにそうした人を嫌っていることは明らかだった。
「そうした輩は最悪だ」
「いますね、本当に」
 千歳さんも言う。
「人生相談番組とかで」
「私はああした番組は観ない」
「どうしてですか?」
「観ていると怒り過ぎてだ」 
 そのせいでというのだ。
「健康に悪いからだ」
「そんなに怒られるんですか」
「そうだ、あまりにも長く激しく怒るのでだ」
 人生相談番組を観ていてだ。
「観ない様にしている」
「それはまた」
「とにかくそうした輩は許せん」 
 まさに絶対の言葉だった。
「そう思うと義和のお父上は立派だ」
「そうなんですね」
「その通りだ、それでだ」
「それで?」
「これからだが」
 ここで留美さんは話題を変えた、その話題はというと。
「ゲームをするか」
「はい、それじゃあ今から」
「はじめるとしよう」
「そうですね、面白そうなゲームばかりですけれど」
「はじめよう」
「今から」
 二人でこう話してだった、留美さんと千歳さんはゲームをはじめた。それは他の娘達も同じで僕もプレイすることにした。
 そしてだ、僕が選んだゲームは。
 タイムパイロットというゲームだった、戦闘機が空で敵機と戦うゲームだ、それをはじめると。
「あっ、このお兄ちゃんそのゲームするんだ」
「ふうん、タイムパイロットね」
「またいいゲームすすね」
「このお兄ちゃんセンスあるよ」 
 小学生の子達が僕のところに来て言って来た。
「このゲーム面白いよね」
「そうそう、クリアーしたら新しい時代にいくんだよね」
「最終面がまた難しくてね」
「ユーフォーがね」
 僕はその話を聞いて最終面まで行きたくなった、それで。
 まずは複葉機に飛行船を撃墜した、次は。
 二次大戦中の戦闘機と爆撃機だった、そのステージもクリアーすると。
 次はヘリだった、小型のヘリと大型の輸送用みたいなヘリも撃墜して。
 デルタ翼のジェット戦闘機にジャット爆撃機のステージもクリアーした、その時にはもう残機は一機になっていた。
 けれど子供達はその僕をゲーム機の横や僕の後ろから見ながら言った。
「やるね、この人」
「上手いよ」
「何だかんだで最終面じゃない」
「2001年のね」
「ここが難しいけれど」
「それまでも難しいんだよね」
 それで、というのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧