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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十話 軽食その十

「正座でなくてもです」
「じゃあ今度からね」
「そうされますか」
「正座しなくていいなら」
 モンセラさんはほっとした顔で述べた。
「参加するわね」
「それでは」
「いや、あの正座がね」
 どうにもというのだ。
「嫌なのよ」
「外国の方は皆さんそう仰いますね」
「あんなのをしたらね」 
 それこそというのだ。
「何処がくつろげるのよ」
「そう言われますね」
「というかね」
 それこそというのだ。
「あんなのをしてどうなるのよ」
「くつろげるか、ですか」
「絶対に無理よ」
 モンセラさんはまた言った。
「痺れるから」
「そうですよね」
「ええ、何であんな座り方をするのか」
 それこそというのだ。
「さっぱりわからないわ」
「あれはだ」
 留美さんがモンセラさんに話した。
「日本古来の座り方でだ」
「昔の日本人はなの」
「あの様にして座っていたのだ」
「そうなの」
「幼い頃からな、だからだ」
「それでなの」
「長い間座っていてもだ」
 例えそうしていてもというのだ。
「昔の日本人は平気だったのだ」
「子供の頃からいつも座っていたから」
「だからだ」
 まさにそれが為にというのだ。
「皆平気だったのだ」
「昔の日本人凄いわね」
「私もそう思う、しかし」
 それでもとだ、留美さんはここでこうも言った。
「昔の人達には普通だったのだ」
「その正座が」
「座布団の形もだ」
「ああ、日本の敷きものね」
「あれを見てもわかると思うが」
「ううん、普通に座ったら」
 この場合は女の子座りなり体育座りだ。僕は男なので胡座をかくけれど皆は女の子なのでそうした座り方をする。
「足が出るわね」
「そうだな」
「つまり座布団は正座用なのね」
「本来は正座で座るものだ」
「そうなのね」
「他の座り方でも普通に座っているがだ」
 今の話もだ、留美さんはした。
「本来はだ」
「あくまで正座用ね」
「その為のものなのだ」
「じゃあ昔の日本人は」
「誰もがそうして座っていたのだ」
 正座でというのだ。
「だから平気だったのだ」
「長い間座っていても」
「そうだ、しかしそれはあくまで慣れてこそだ」
「慣れていないとね」
「拷問だ」
 まさにそれだというのだ。
「しかも何の鍛錬にもならない」
「意味のないものなのね」
「正座を長時間しても意味がない」
 それこそという言葉だった。 
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