八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十話 軽食その四
「それで」
「野球選手だ」
「へえ、シェフの人じゃないの」
「近鉄バファローズの監督だった千葉茂氏だ」
巨人のセカンドだった、現役時代の背番号は三でこの人の後に三番を受け継いだのがあの長嶋茂雄さんだ。
「この人が洋食好きでだ」
「それでなの」
「カレーとカツを一度に食べたいと思ってだ」
「考えだしたの」
「そう言われている」
「面白い人ね」
チャチーリアさんもその話を聞いて言った。
「その千葉って人」
「うむ、私の嫌いな巨人の選手だったがな」
留美さんもアンチ巨人だ、関西人だけに阪神ファンとのことだ。
「そして監督としてもだ」
「よくなかったの」
「渾名が猛牛でだ」
留美さんはこのことから話した。
「近鉄の監督になりチームの名前をバファローズにしたが」
「それでそのチームどうなったの?」
イタワッチさんも尋ねた。
「千葉さんが監督になって」
「以前から弱かったチームはさらに弱くなった」
留美さんはその現実を話した。
「あまりにも巨人が巨人がと言ってだ」
「選手の人達が反発したの」
「そうだ、そしてだ」
「チームがばらばらになったの」
「その結果としてだ」
留美さんはその千葉さんの近鉄のことをさらに話した。
「シーズン敗戦記録も達成した」
「そこまで負けたの」
「百三敗だ」
多分ここまで負けたチームは他にない。
「そこまで負けた」
「そうだったのね」
「そして近鉄の監督を辞めた」
【敗北記録を達成して」
「そうなった」
「じゃあ監督としては」
「お世辞にもだ」
留美さんは口をへの字にさせて言った。
「いいとは言えなかった」
「そういうことね」
「しかし選手としては立派でだ」
そしてとだ、留美さんはフォローも入れた。
「そうしたものも残した」
「カツカレーも」
「そうした人だった」
「成程ね」
「そしてそのカツカレーだが」
留美さんはカレー自体の話もした。
「これが実にいい」
「凄く合ってる組み合わせですよね」
千歳さんも留美さんに応えて言う。
「本当に」
「奇跡の様にな」
「そうですよね」
「あの様にしてだ」
「御飯とですね」
「カツなり焼いた鳥肉なりを横に置いてだ」
そのうえでというのだ、ハンバーグもその中に入っている。
「上からルーをかけたカレーはいい」
「普通のカレーとはまた違った味ですね」
「絶品だ」
「それとね」
イタワッチさんは冷やしあめを飲んで言った。
「カレーっていったら大阪のね」
「大阪のどの店のカレーだ」
「確か難波にあった」
「自由軒か」
留美さんは難波と聞いてすぐに言った。
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