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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第六十九話 水着選びその十六

「今から行くよ」
「お願いします」 
 僕は千歳さんの声に応えてその左隣のカーテンの前まで来た、見れば他のコーナー、これまで水着姿を見せてもらった娘達のカーテンは奇麗に閉じられている。そして。
 最後のカーテンが開いてだ、その中から出て来たのは。
 黄色の半ズボンタイプのビキニ、上にも下にも白いアルファベットの模様が入った水着を着た千歳さんだった。
 千歳さんはその水着姿を僕に見せて言って来た。
「どうですか?」
「似合うね、それに」
「それにですか」
「可愛いよ」
 僕はこう千歳さんに受けた印象をありのまま話した。
「いい感じだよ」
「それは何よりです」
「そのタイプの水着にしたんだね」
「色々な水着を見ましたけれど」
「それでなんだ」
「この水着にしました」
「気に入ったんだ」
 こう言った僕にだ、千歳さんはすぐに言って来た。
「黄色が好きで。それに」
「それに?」
「半ズボンタイプの水着なら」
 このタイプの水着ならとだ、千歳さんは僕に話してくれた。
「恥ずかしくないですから」
「他の水着と比べて」
「ビキニとか最近のワンピースってデザイン凄いですよね」
「確かにね」
 モンセラさん達の水着を思い出しながらだ、僕は答えた。
「何かとね」
「そうした水着はとても」
「恥ずかしいからなんだ」
「着られなくて」
 顔を紅くさせてだ、千歳さんは僕に話してくれた。
「ですから」
「そうした水着にしているんだね」
「そうです」
「それでだね」
「はい、それで似合うのなら」
「その水着にするんだ」
「そうさせてもらいます」
 千歳さんは僕に確かな声で答えた。
「これに決めます」
「わかったよ、じゃあこれで皆水着決まったし」
 一人の人は買いなおしすることになったけれどだ。
「後はね」
「お食事ですね」
「いいお店というなコーナーあるから」
 この百貨店にとだ、僕は千歳さんに微笑んで言った。
「宜しくね」
「わかりました、じゃあ今から着替えます」
 元の服にとだ、千歳さんも答えてだった。そのうえで。
 千歳さんもカーテンを閉めた、そうして。
 皆着替えだした、僕は暫く皆を待っていたけれど。
 最初にテレサさんが着て次にモンセラさん、チャチーリアさんにイタワッチさんが着てだった。留美さんと千歳さんも着た。
 皆揃ったところでだ、僕は皆にこう言った。
「スナックコーナーに行く?」
「スナック。軽食ね」
 イタワッチさんはスナックコーナーと聞いてすぐにこう言って来た。
「じゃあ今日のお昼は軽くなの」
「いや、軽食といってもね」 
 それでもとだ、僕はイタワッチさんに答えた。
「量もメニューの種類も多いよ」
「そうなの」
「お腹に一気に溜まるから」
「軽食でも」
「うん、皆で行こう」
「義和的にお勧めなのね」
 テレサさんは僕の目を見て言って来た。
「つまりは」
「うん、そうだよ」
「じゃあ私そこでいいわ」
 明るい笑顔で僕に答えてくれた。
「スナックランドでね」
「じゃあ行こう」
「場所は何処なの?」
 モンセラさんが聞いてきたのはこれのことだった。
「それで」
「この百貨店の屋上だよ」
「そこがなのね」
「うん、ゲームコーナーもあるけれど」 
 要するにゲームセンターだ、百貨店には付きものだと思う。
「スナックコーナーもあってね」
「そこでなのね」
「皆で食べよう」
 あらためてだ、僕は言った。
「これからね」
「うん、じゃあね」 
 モンセラさんも頷いてくれた、他の娘は特に言わなかった。それは賛成ということだった。こうしてだった。
 僕達はそのスナックコーナーに向かった、そしてそこでお昼を食べることにした。


第六十九話   完


                           2015・11・25 
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