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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第六十九話 水着選びその十三

「グラビアアイドルが着るみたいな」
「日本のよね」
「うん、派手な水着の人で撮影する人いるから」
 具体的に誰かというとすぐには答えられない、今のイタワッチさんが着る様な水着を着てグラビアに出る人は結構多いだろうか。
「それを思い出したよ」
「じゃあ私グラビアアイドルになれるのね」
「というかね」
 僕は今度はこう言った。
「その水着高校生の水着じゃないから」
「派手過ぎる?」
「ビキニでぎりぎりだよ」
 合宿に着ていく水着はだ。
「うちの学校服装には寛容でもね」
「この水着はアウトなあのね」
「ちょっとね」
 もっと言えばちょっと以上にだ。
「止めた方がいいね」
「じゃあ普通の水着にするわね」
「せめてビキニにね」
「そうするわね」
「似合っていても」 
 実際イタワッチさんもスタイルがいい、だから似合っていることは確かだ。けれどあまりにも派手過ぎるからだ。
「アウトだよ」
「そういうことね」
「うん」
「あの」
 今度はイタワッチさんの左隣だった、そこからチェチーリアさんの声がした。
「いい?」
「あっ、チャチーリアさんも」
「着替えたから」
 水着にというのだ。
「それじゃあ」
「今行くよ」
 僕も応えてだ、すぐにだった。
 チェチーリアさんのところに行った、カーテンが開かれて。
 そこからだ、水着姿のチェチーリアさんが出て来た。その水着はというと。
「競泳水着」
「これにしたの」 
 見ればそれだった、黒地で色々な模様が入っているスポーティーな水着だ。一見大人しい水着だけれど。
 その胸の部分を見てだ、僕はまたしても驚いた、そのうえでこうチェチーリアさんに言った。
「体型が出るから」
「この水着は」
「うん、だからね」
「胸とかが」
「目立つね」
 僕はチェチーリアさんに正直に言った。
「それもかなり」
「そうなのね」
「けれど露出はね」 
 それ自体はだった。
「大人しいから」
「これでいいのね」
「露出が嫌ならね」
「競泳水着ね」
 チェチーリアさんも応えた。
「これが一番なのね」
「うん、確かに露出は減るよ」
 その通りだとだ、僕も言った。
「それもかなりね」
「だからと思ったけれど」
「ただ、競泳水着はね」
「体型がはっきりと出るから」
「それが問題になるよ」
「そうみたいね」
「まあね」
 ここでだ、僕はさらに言った。
「昔の水着なら別だけれど」
「昔の?」
「大正の頃とかのね」
「日本の時代ね」
「大体一九二〇年代頃だよ」
 西暦で言うとだ。 
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