サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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食堂にて
サトシは、仕事で
昼食をとる時に度々訪れる
食堂にヒカリを連れて行った。
ガラッ
おばちゃん:「いらっしゃーい」
店には客が一人もおらず、
サトシとヒカリは
席に着き、メニューを開いた。
サトシ:「ここ、俺が仕事の休憩時間に
たまに来る店なんだっ」
ヒカリ:「へぇー、なんか落ち着く場所ねっ」
サトシ:「すいませーん」
おばちゃん:「はいよ」
サトシ:「タマムシカレー1つ。ヒカリは?」
ヒカリ:「えっ!ちょっ、、、
あっ、じゃああたしも!」
ヒカリ(決めるの早っ
昨日もカレーだったけど、、まぁいいやっ!)
おばちゃん:「タマムシカレー2つね、、
アンタ〜、、、タマムシカレー2つ〜」
店主:「あいよ〜」
サトシ:「ここのカレーは上手いんだぜっ」
ヒカリ:「へっ、、へぇ〜」
ヒカリ(あんまり辛くないといいな)
サトシ:「ヒカリ、、、」
ヒカリ:「ん?」
サトシ:「見てもらいたいものだけどさっ」
ヒカリ:「あ、、うんっ」
ついに、本題に入った。
サトシ:「こないだ、会社の書庫で
こんなのを見つけたんだ、、」
サトシはカバンから
ポケモン消滅事件の資料を出した。
ヒカリ:「なぁにそれ?、、」
サトシ:「ヒカリがどう思うかは
正直わからないけど、目を通して見てくれ」
ヒカリは資料を受け取り、開いた。
ヒカリ:「これって、、、」
サトシ:「あぁ、、、あの事件の内容だ」
ヒカリ:「、、うそ、、、」
驚いた表情をしつつも、ヒカリは
最後まで資料に目を通した。
ヒカリ:「、、、」
サトシ:「ヒカリはどう思う?」
ヒカリ:「、、あたしは、、、
ポケモンが消滅していないって信じたい!」
サトシ:「あぁ!俺もだっ!」
ヒカリ:「でも、どうするの?
それに、このドクターKって知ってるの?」
サトシ:「わからない、、でも、もしかしたら
この人、今でも研究してるかも知れない。
この資料だって、紙の状態からして
そんな昔のものじゃないし、、」
ヒカリ:「昔のものじゃないって、どうして?」
サトシ:「この紙は、2年前にシルフで
開発された印刷用紙だからさっ」
ヒカリ:「えっそうなの?」
サトシ:「あぁ、俺がまだ新人だった時に
製造の手伝いで作ってたからわかる、、
この表しっとりで裏はもっとしっとりの
独特の質感は間違いない、、」
ヒカリ:「そうなんだー」
ヒカリ(ほんと色んなの作ってんのね〜)
サトシ:「ドクターKって人がもし
研究を続けているなら、、、」
ヒカリ:「失ったポケモンたちに
また会えるかもしれない。」
サトシ:「そう、可能性はわかんないけど、
俺は信じてみたいと思う。
俺たちのポケモンは消えたんじゃなくて、
どこかにいるって事を!」
ヒカリ:「じゃあ、先ずは!」
サトシ:「このドクターKって人を探そう!」
小さな希望を胸にしたサトシとヒカリは
ドクターKという人物を探す事にした。
店主:「はいタマムシカレー2つ」
サトシ:「いただきます」
ヒカリ:「いただきまーす」
2人の中で止まっていた時間がいま、
新しい物語と共に再び動き出した
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