八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第六十九話 水着選びその四
「行こう」
「今からだな」
「ええ、行こう」
「うむ、わかった」
留美さんは僕に強い声で答えた。
「今からな」
「それじゃあ」
「ただ。水着を選ぶのはだ」
「食べる前に」
「食べた後ではな」
留美さんは顔でテレサさんに話した。
「どうしてもお腹が出る」
「だからなのね」
「食べてからだ」
「お昼を食べることは」
「それでいいと思うがどうだ」
「そうね」
テレサさんは留美さんのその提案に頷いた、そのうえでこう答えた。
「それじゃあね」
「それでいこう」
「ええ、じゃあ」
「今すぐにね」
「行きましょう」
イタワッチさんにモンセラさん、チェチーリアさんも頷いてだった。そして最後に千歳さんが無言で頷いてだった。そして。
留美さんは最後にだ、僕に顔を向けて尋ねてきた。
「ではだ」
「うん、今からだね」
「行こうと思うが」
「それじゃあね」
僕もこう答えた、こうしてだった。
七人で百貨店に行くことになった、八条百貨店は八条荘からだと最寄りの駅から隣、八条駅にある。八条駅のすぐ隣だ。
その大きな、十四階建てで地下三階に屋上もある大きな百貨店に入ってだった。千歳さんは僕にこう言ってきた。
「この百貨店は大きいですね」
「うん、百貨店の中でもね」
「かなり大きい方ですよね」
「高いしね」
しかも地下も三階まである。
「屋上もあって」
「面積自体も」
「うん、大きいよ」
僕は千歳さんにこう答えた。
「広いって言うべきだね」
「そうですね」
「確かにね」
イタワッチさんも言う、中を見回しながら。
「この百貨店広いわね」
「そうなんだよ、ここは」
「ええ、しかも高いし」
「地下もあるしね」
「それでこの百貨店の何処にあるの?水着のお店」
「六階だよ」
僕はすぐに答えた。
「六階にあるから」
「じゃあ今から六階に行くのね」
「皆ね、ただ」
ここでだ、僕は微妙な顔になってだ。
言いだしっぺの留美さんにだ、小声でこう尋ねた。
「僕もかな」
「お店にだな」
「行くの?」
「出来ればな」
こう僕に答えてきた。
「そうしてもらいたい」
「僕男だけれど」
「いい」
「いいの?」
「むしろ見てもらいたいのだ」
僕にこうも答えた。
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