八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第六十九話 水着選びその一
第六十九話 水着選び
その日は日曜だった、夏休みでも日曜は来る。そしてこの日僕は部活はなかった。もっと言えば他の部活も大抵はだった。
それで八条荘もこの日はのどかだった、そののどかな夏の日曜日に。
僕は朝御飯の前にランニングをしてからお風呂に入って朝御飯を食べた、そこからはもう部屋でゲームをしていようと思っていた。
けれどその僕にだ、留美さんが声をかけてきた。
「いいか」
「あっ、百貨店にだね」
「来てくれるか」
「僕がなんだ」
「君とだ」
留美さんは真剣な声で僕に行って来た。
「他にも何人か一緒だ」
「誰が一緒なのかな」
僕は自分のことよりもまずはこのことを尋ねた。
「それで」
「私とです」
最初に千歳さんが出て来た、そして。
イタワッチさんにテレサさん、それにモンセラさんとチェチーリアさんだった。合わせて六人の娘が僕の前に出て来た。
その中でだ、イタワッチさんが僕に笑って言って来た。
「いやあ、実は私達ね」
「水着持っていなかったんだ」
「自分のはね」
学校指定のものはあるがというのだ。
「それでなのよ」
「これから買いに行くんだ」
「留美に言われないと」
それこそという口調での言葉だった。
「気付いてなかったわ」
「そうだったんだ」
「そう、それでね」
留美さんを見ての言葉だった。
「これから行くのよ」
「私も」
チェチーリアさんはイタワッチさんと正反対に落ち着いた声で言って来た。
「水着はなかったので」
「だからですか」
「行くの」
「そうなんですね」
「読書部は合宿はないけれど」
それでもとだ、イタワッチさんは言った。
「軽音楽部はあるし」
「ああ、うちの学校の軽音楽部は」
女子のだ、僕はイタワッチさんの所属しているその軽音楽部のことを話した。
「別格ですから」
「かなり賑やかな部活ね」
「お酒入ると凄いですよ」
それこそ桁外れにだ。
「暴れるってレベルじゃないですから」
「それで海で泳ぐこともあるそうだから」
「水着をですね」
「買いに行くの」
イタワッチさんも言ってだ、そして。
テレサさんとモンセラさんもだ、こう僕に言って来た。
「私達もね」
「水着は持っていないから」
「この機会に買って」
「それで合宿に行くのよ」
「そういえばメイド部もプロレス部も」
僕はこの二つの部活のことも思い出した。
「合宿あるよね、江田島で」
「そう、バスケ部とかと同じ時期にね」
「同じ日程でね」
まさにその時にとだ、二人も答えた。
「その時に水着が必要だから」
「買いに行くのよ」
「六人だね、じゃあ他の皆は」
「うむ、昨日あれから一人一人に尋ねたが」
留美さんが僕に答えた。
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