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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第六十八話 出発前にその十三

「それもだ」
「恥ずかしいんだ」
「では残るのは半ズボンか」
「そのタイプの水着かな」
「ならそれだ」
 というかそれしかないということになった、結局。
「それでいく」
「半ズボンタイプだね」
「半ズボンならいい」
 留美さんの許容範囲に入っているというのだ。
「これでいこう」
「それじゃあね」
「うむ、では買いに行こう」
「それか用意出来るけれど」
「八条荘でか」
「うん、どうかな」
「いや、水着は用意されているものよりもだ」
 留美さんは僕の今の申し出にははっきりと答えた。
「自分で買いたい」
「そうなんだ」
「そのまま肌に着けるしだ」
 それにと言うのだった。
「好みのあるからな」
「それでなんだ」
「私が自分で買う、買えるだけの仕送りも貰っているしな」
「それでなんだね」
「明日にでも買いに行って来る」
 こう僕に言った。
「そうして来る」
「じゃあ八条百貨店はどうかな」
「あの百貨店の水着のお店にか」
「行ってね」
 そしてというのだ。
「そうしたらどうかな」
「そうだな、では百貨店に行こう」
「それじゃあね」
「しかしだ」
「しかし?」
「私一人で行くにしてもな」
 ここでこうも言った留美さんだった。
「何か寂しいな」
「ああ、服を選ぶのに」
「他に誰か誘うか」
「それもいいね」
 僕は留美さんにあらためて答えた。
「誰か他に水着買いたい人がいたら」
「円香に声をかけるか」
「あの娘にもだね」
「他の娘にも声をかけるか」
 腕を組んで考える顔になってだ、留美さんはこうも言った。
「ここはな」
「それは留美さんの好きな様にね」
「わかった、そうしよう」
 こう答えてだ、そしてだった。
 留美さんはこの話を終えてだった、僕にこう言った。
「ではそうする」
「じゃあね」
「明日そのうえで行って来る」
「そうしてね」
 留美さんは皆も誘って水着を買いに行くことになった、そしてこれもまた一つの大きなことになるとは僕はこの時思ってもいなかった。


第六十八話   完


                          2015・11・16 
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