とある3人のデート・ア・ライブ
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短編 女子力が高いのは誰だ!?その1
前書き
ネタにしようと思ったらネタじゃなかった
美九「だーりんは女子力が高い女の子が好きなんですかねー?」
美九の何気ないこの言葉が全ての始まりだった。
琴里「ん?どういうこと?」
ここには十香、四糸乃、琴里、耶倶矢、夕弦、美九、佐天、柑果がいた。
いつの間にか柑果も皆んなに馴染んでいた。他のメンバーにもある程度事情を話し、精霊が住むマンション(士道の家のマンション)に住んでいる。
柑果自身もまだまだ調べたりない事が沢山あるし、上条もこの仮の身体を維持してくれているのでお言葉に甘えさせてもらっている。
さて、話を戻すと美九は最近の士道の言動に疑問を持っているようだ。
美九「んー……何ていうか、言葉では表しづらいんですが……」
ちなみに士道は買い物、上条は(端から見れば一人だが、石の中にいる凜祢と二人で)散歩に行き、一方通行は部屋で寝てる。
美九「ここにいる皆さんはだーりんが好きで、だーりんも私達の事は好きだと思うんですけど……私達のそれとだーりんのそれは違う気がして……」
言うならば恋愛としての好きか、大事な仲間としての好きかということだろう。
十香「な、何を言っておるのだ!」
琴里「ちょっと!勝手に好きだとか決めつけないでよ!!」
四糸乃「わ、私は……好きです……!」
よしのん『あら〜、四糸乃が大胆だねぇ』
耶倶矢「くく、我の心の闇を虜にするなどありえーー」
夕弦「否定。虜にされました」
耶倶矢「ちょっ!?勝手に決め付けるなし!!ってか夕弦はどうなのよ!」
夕弦「回答。私は士道が大好きです」
耶倶矢「…………言っちゃうんだ」
美九「私もだーりんが大好きです!」
佐天「私も友達として好きですけど、恋愛感情はありませんよ?」
柑果「…………あの少年、どんだけプレイボーイなんだ?」
佐天と柑果は少し例外だが、ここにいる全員は士道の好きなのだ。
だからたまに、こんな話になる。
美九「とまあこんな感じなんですけどぉ、だーりんもいずれ働くじゃあないですかー」
琴里「そうね」
美九「今は部活もせず帰ってきてるので家事をこなせてますけどぉ、働き始めたらそんな暇も無いと思うんですよねー」
夕弦「肯定。確かに忙しくなりそうです」
美九「そんなだーりんに、仕事と家事を全て任せるのは酷じゃ無いですかー」
四糸乃「そ、そうですね……」
美九「こう考えるとだーりんって家事とかできる女の子が好きなのかなーって」
やっと最初の質問の意図に辿り着いた。
確かに士道は家事はそつなくこなすし、料理も美味しい。
しかし、それは恐らく学生の時……いや、受験シーズンでも家事をするのは難しくなるだろう。
今は上条や佐天が交代で分担してやっているが、いつ上条達が学園都市に戻るか分からない。
つまり、このままだと士道に危ない橋を渡らせる羽目になる。
十香「うむ、そうと決まれば今から女子力を高めるぞ!!」
十香が高々と拳を上に掲げた時に、不意に柑果が口を挟んだ。
柑果「んで?皆んなの女子力ってやつはどれくらいなの?」
……………。
琴里「………ここは勉強と同じってわけね」
十香「む?どういうことなのだ?」
琴里「例えば目玉焼きの作り方を教えるとするでしょ?でも既に知っている人は、それはただの時間の浪費でしか無い。だからレベルに合わせて女子力を高めていかないと効率が悪いのよ」
十香「………何を言ってるのか全くわからないぞ」
琴里「……だからーー」
〜説明中〜
要は塾のクラス分けみたいなものですよby作者
十香「な、なるほど……」
琴里「ハァ……なんか、疲れたわ」
琴里が疲れた様子でソファに身体を預ける。
柑果「女子力の高さってどうやって決めるの?」
柑果の問いに答えたのは佐天だった。
佐天「一番手っ取り早いのは料理でしょ!!」
佐天が身を乗り出して声をあげた。他のみんなは一度目を合わせて、頷いた。
十香「うむ。それが一番分かりやすいぞ!」
四糸乃「が、頑張ります……っ!!」
耶倶矢「くく、我に勝とうなど百年早いわ……」
夕弦「同意。負けるつもりはありません」
美九「私もだーりんに褒めてもらって、そこから二人で……ぐふふ」
琴里「ちょっと、誰か美九を止めなさい」
柑果「それで、料理は?誰が採点するの?」
勿論柑果は参加する気などさらさら無い。ただ少し気になってみたりもするので話の進行係りのように問いを投げつけていく。
佐天「うーん、採点は士道さんは勿論、上条さんやあーくんにもやってもらおうと思ってますけど……」
柑果「あーくん?」
琴里「一方通行のことよ」
柑果「あー……なるほど」
あの目つきと態度に対してあだ名が可愛すぎるなぁ、と柑果は素直に思った。
そして。
十香、四糸乃、琴里、耶倶矢、夕弦、美九(+佐天と柑果)の総勢8名(+2名)による(悪夢の)料理バトルが始まった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
テーマはオムライス。
士道「妥当だな」
上条「そうだな」
一方「面倒だな」
士道と上条は帰ってくるなり女子の対決などと言われ頭が混乱し、一方通行は目覚めが悪いのか話すら殆ど聞いていなかった。
それでも何とか(無理やり)状況を把握させられ、今に至った。
凜祢『なんか……大変だね』
上条『ほんとにな……どんな料理が出てくるか恐怖でしかない』
既に身の危険を感じている上条。
心配のしすぎだと思われるが、メンツがメンツだ。いつどんな化学反応を起こすか分かったもんじゃない。
ルールは簡単。
自分で食材を買い、一人前のオムライスを作る。
それを10当分し、皆んなで食べる。
女子メンバーは食べるだけ。男子メンバーはそれに10点満点で採点をつける。小数点は無しだ。
料理時間は多めに20分を取っている。
順番はクジで決めて、不公平の無いようには配慮している。
進行は士道が行う。
士道「まず一人目」
と、立ち上がったのは……
柑果「面倒だなぁ……」
神代柑果だった。
上条「……何でお前まで?」
柑果「強制参加」
把握しました。
柑果「レシピは丸暗記出来たけど……」
そう、禁書目録並みの記憶力を持つ柑果だが、覚えるだけで理解は出来ないし、そもそも料理経験が無いと上手くいかないものだ。
勿論、柑果は料理など一切しない。
柑果「ま、レシピ通りにやるか」
〜5分後〜
柑果「出来たよ」
と言って皿をテーブルの上に置く。
それは適当に盛り付けられたケチャップご飯の上にところどころ焦げた溶き卵がドサっと乗ってるだけだった。見た目だけならチーズケーキのようだ。
上条「………これは何というか」
一方「最悪な見た目だな」
柑果「仕方ないでしょ?覚えるのと実際やるのとは全然違うんだから」
士道「ま、まあとりあえず食べてみるか」
言って全員味見する。すると。
士道「………美味い」
一方「………普通だな」
琴里「確かに美味しいわね。でも採点するのは貴方達なんだからね」
琴里の言葉に(面倒だったが)目の前に置かれているミニホワイトボードに点数を書く。
士道 9
上条 8
一方 7
三人とも味には好評価だったが、見た目のせいでそれぞれ減点している。
十香「おお、かなりいい点数なのだ」
柑果「初めてにしては上出来だったでしょ?」
見た目を除けば完璧なテンプレだっただろう。初心者でここまで出来たなら上出来だ。
士道「次は?」
四糸乃「わ、私です……!」
と、手を上げたのは四糸乃だった。
どこか緊張しながらもキッチンの方へ向かう四糸乃。
上条「だ、大丈夫かあれ」
士道「……なんか心配だな」
一方「なンとかなるだろ」
まるで我が子の初めてのおつかいを見守る親の気分になった上条と士道だったが、その心配は杞憂だった。
よしのんの的確な指示を元にテキパキと動いていく。片手が塞がれているというのに中々器用である。
四糸乃「で、できました!」
と言って皿をテーブルに置く。
見た目はところどころ卵に偏りがあったり、盛り付けが少し荒いがそれでもいい出来ではある。
士道「お、美味そうだな」
四糸乃「よしのんと頑張りましたから……!ね、よしのん……」
よしのん『……』
珍しく四糸乃の言葉に口をつぐむ。何かあったのだろうか?
士道「とにかく食べてみるか」
と言って全員一気に味見する。
すると。
上条「……………………何だろう」
一方「……………………甘いな」
甘いオムライスなど聞いたことが無い。それが美味しければいいが……そうでもない。
士道「えっと…………何入れた?」
四糸乃「え……ご飯の味付けに塩と胡椒を……少し、です」
よしのん『あ〜、それなんだけど……よしのん間違えて砂糖とっちゃったんだよね』
四糸乃「え……!?」
よしのん『気づいた時にはもう入れちゃっててねぇ……』
士道「だからさっき黙り込んでたのか」
よしのん『ごめんね四糸乃』
四糸乃「う、うん……」
まあ今の四糸乃からしたら自分の料理を邪魔されたとおんなじだ。あまりいい気はしないだろう。
士道「点数は保留だな」
一方「よしのんのせいでな」
四糸乃「あぅ………」
続く!!!
後書き
記念すべき100話目!!ありがとうございます!!
次は四人くらい一気にいこうかと
ちなみに短編その2は或守インストールを終えてからにしようと思ってます!順番的には、短編その1→或守編→短編その2→凜緒編→その3(完結予定)→七罪編という順番でやっていこうと思います。要は章の終わりごとに短編を一話挟むという感じです。
そんなわけでよろしくお願いします!
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