八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第六十七話 合宿の前にその十三
「そのことも覚えておいてね」
「わかったわ、そのこともね」
「江田島も呉も海軍の街だよ」
僕は美沙さんにあらためてこのことを話した。
「神戸とはもう別世界だから」
「気候だけじゃなくて」
「そちらもね」
こう話してだった、そのうえで。
僕は美沙さんにあらためてこうも言った。
「楽しいから、本当に」
「いい合宿になるのね」
「そのことは確かだよ」
僕は美沙さんに約束した。
「絶対にそうなるよ」
「それじゃあ楽しみにしてるわね」
「そういうことでね」
「広島ね、はじめて行くけれどね」
「いい場所だからね」
「暑くてなのね」
「気候もさらってしてて海が奇麗で」
僕は海のことも話した。
「その海がいいんだ」
「マリンブルー?」
「うん、マリンブルーだよ」
僕は色のことも答えた。
「神戸と同じ瀬戸内海だけれどね」
「もっと奇麗なのね」
「うん、雨も少ないし」
あの辺りはだ、夏は。
「瀬戸内海ならではの気候で」
「ううん、聞けば聞く程楽しみね」
「じゃあだね」
「行くわ、楽しみにしていてね」
「他の部活も一緒だからね」
「随分大人数になりそうだね」
「うちの学園文化系でも合宿するんだよね」
体育会系だけでなくだ。
「美術部とかもね」
「そうみたいね、そのこと聞いたわ」
「軽音楽部にしてもそうでね」
「他の部活も」
「それで一緒のホテルに泊まって」
八条ホテルが運営している江田島のホテルだ。グループの社員と家族の人達の保養場所でもある有り難い場所だ。
「あそこでも楽しめるよ」
「ホテルね」
「そのホテルもいい場所だから」
「凄い何でもありの合宿ね」
「うん、実際にね」
「じゃあ行く用意もしておくわね」
「準備万端だね」
僕も応えて言った。
「全部ね」
「その準備も楽しいかも」
「うん、何でも楽しいのが合宿なんだよね」
その準備さえもとだ、僕は美沙さんに話した。八条荘の前の合宿もだ。僕達にとっては何かと楽しいものになっていた。
第六十七話 完
2015・11・7
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