| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十七話 合宿の前にその四

「他の方々と他の場では」
「しない方がいいですね」
「人の考えは色々なので」
「それを認めることも大事ですね」
「左様です、ですから」
 それ故にというのだ。
「義和様もくれぐれもお願いします」
「そうします、親父にもそう言われましたし」
「そうですか、止様はそのこともですね」
「僕に言いました」
「流石は止様です」
「流石ですか」
「はい」
 その通りという返事だった。
「あの方ならばです」
「そう言うと思いますか」
「破天荒でも芯のある方です」
「そしてその芯がですか」
「義和様にもそうしたことを話されたのです」
 親父のその芯がというのだ。
「まさに」
「何か畑中さんうちの親父を」
「好意をですね」
「持ってますよね」
「はい」
 これが畑中さんの返事だった。
「人間としてです」
「好きですか」
「確かに破天荒な方ですが」
 畑中さんもこう言う。
「しかしです」
「それでもですか」
「芯がありますので」
「人としての芯がですか」
「ただの遊び人ではありません」
「芯のあるですね」
「確かな方です」
 それが畑中さんだというのだ。
「それを昔から見ていまして」
「それでなんですか」
「私は止様が好きです」
「そうなんですね」
「人として筋がありますと」
 それで、というのだ。
「かなり違います」
「遊んでばかりでも」
「借金もありませんし」
「暴力も振るわないので」
「ですから」
 それでというのだ。
「私は止様が好きです」
「何か意外ですね」
「意外ですか」
「はい、畑中さんみたいな真面目な人はです」 
 僕が思うにはだ。
「親父みたいな人は嫌いなことが多いですから」
「若し人として過っていれば」
「そうならですか」
「私も止様を否定しています」
「そうでしたか」
「はい、ですが」
 それでもというのだ。
「止様はです」
「人として筋があるから」
「私も否定しないのです」
「そうですか」
「むしろです」
「好きなんですね」
「傾いていうと言うべきか」 
 ここでこう言った畑中さんだった。
「傾奇者ですね」
「戦国時代とかにいた」
 あとは安土桃山時代か。あの頃の人達だ。
「前田慶次とかですね」
「ああした感じの方だと思います」
「親父は傾奇者ですか」
「大体そうかと」
「そうですね、言われてみれば」
 僕にしてもそんな気がした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧