八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第六十六話 花火が終わってその十五
「そういうこともな」
「ありますよね」
「むしろその方が遥かに多いな」
井上さんもそのことは認めた。
「実際にな」
「そうですよね」
「しかしだ」
「そうでない場合もある」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「そうしたことも考えてだ」
「警戒はされていますか」
「こうしてな」
木刀をそれぞれの手に持って構えたままだ。
「何か来ればだ」
「すぐにですね」
「相手を叩く」
「そうされますか」
「お家に入るまでな」
「そうしましょう」
「うむ、警戒をしてな」
こうも話してだった、そうして。
僕達はだ、一緒にだった。八条荘に入った。ここでようやく警戒の念を解くことが出来た。そしてそのうえでだった。
僕は自分の部屋に入る前にお風呂場に向かった、だがここで。
畑中さんに会ってだ、こう言われた。
「お帰りなさいませ、如何でしたか」
「やっぱりよかったですよ」
僕は微笑んで畑中さんに答えた。
「お祭りは」
「それは何よりです」
「畑中さんは行かれましたか」
「j花火を見てきました」
こう僕に答えてくれた。
「最後まで」
「あれっ、ですが」
「帰りが早いというのです」
「僕達も最後まで観ていましたけれど」
「私は歩くのが速いので。それに」
「それに?」
「お酒を飲んでいなかったので」
だからだというのだ。
「その分だけ速かったのです」
「それで、ですか」
「はい、それで先程戻って来たばかりです」
「そうですか」
「では今日はこれで、ですね」
「お風呂に入って寝ます」
僕は実際にそうするとだ、畑中さんに答えた。
「そうしますので」
「わかりました、それでは」
「はい、これで」
僕は畑中さんとお休みの挨拶をしてだった、お風呂に入って。
かなり飲んでいたけれどそのお酒もお風呂の中で結構抜いてだった。そのうえで着替えて自分の部屋に戻って寝た。明日に備えて。
第六十六話 完
2015・11・1
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