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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第六十三話 夏祭りその七

「そうなるからだ」
「まずはお好み焼きからですか」
「私はな」
「それならわかりました」
「そうだな、その後は何でもいい」
 お好み焼きの後はというのだ。
「焼きそばでもそのたこ焼きでもな」
「いいんですね」
「焼き鳥、フランクフルト、とうもろこしとあるがだ」
「全部ですね」
「どれでもいい、ただ甘いものはな」
「それは、ですね」
「飲んだ後だ」
 林檎あめやクレープ、水飴等はというのだ。
「特にたい焼きはな」
「餡子食べた後はお酒の味わからないですから」
「そう思う、私はな」
「僕もです。ただあれですね」
「学園の中の神社だが」
「あの方ですわね」
 円香さんは井上さんが学園の中の神社の話をその整った眉を少し顰めさせたうえで話してきたのを見て言った。
「あの方は巫女として立派ですが」
「そして気さくで好人物だが」
「相当なお酒好きですわね」
「しかもおはぎやそのたい焼きと一緒に飲むからな」
「日本酒を」
「彼女とは友人だが、一年の頃からのな」
 高校一年、その時からというのだ。
「しかしだ」
「それでもですわね」
「あの飲み方は止めるべきとだ」
「常に申し上げておられるのですか」
「味がわからないだろうしだ」
「ご本人はいいと言われてますわね」
「甘いものと日本酒は合わない」
 よく言われることをだ、井上さんは言った。
「しかも菓子と日本酒の組み合わせはだ」
「それ自体が、ですわね」
「身体によくない」 
 普通にお酒を飲んだりお菓子を食べるよりずっと、というのだ。
「ましてや彼女は深酒で甘党だ」
「糖尿病になりますわね」
「そうなるからだ、確かにトライアスロン部でカロリーを消費しているがだ」
「それでもですわね」
「いい食べ方ではない」
 日本酒と和菓子、この組み合わせはだ。
「糖尿病になってしまう」
「まさにですわね」
「だから言っているが」
「続けておられますわね」
「その飲み方をな。しかも飲むと女の子に片っ端から手を出す」
 僕もその人のことは知っている、学園内でもかなり有名な人の一人だからだ。学園の中にお家即ち神社があってそこに住んでいることもあって。
「セクハラをする」
「同性の人に」
「後輩にな、私にはしてこないがだ」
 それでもとだ、井上さんはまた言った。
「困ったことだ」
「わたくし実は」
「触られたことがあるのか」
「神社で神道についてお話を伺いに行ったのですが」
「そこにいたか」
「はい、お酒を飲みながらお話をしようと言われまして」
「その時にだな」
 井上さんは話の展開を読んで円香さんに話した。 
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