破壊ノ魔王
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一章
8
「…………なんだ?どけよ」
「そうもいかぬ。まだ年端もゆかぬワラシではないか」
俺の爪は確かにガキの頭を吹っ飛ばす予定だった。阻んだのは白髪頭の吸血鬼。なんだもう夜になったか
「お前でもガキには甘いか、ババア」
「ふーーむ。その言い方は良くない。良くないぞ、魔王よ。妾の最も嫌う言葉じゃ」
「あ?そんなに真実が嫌いか?あいにく俺は嘘が嫌いなんでね」
おー、珍しく怒ったか?あ?
んなことはいいんだよ
いきなり前触れもなく電撃食らわされたんだ、こっちは
「ティナもち!?」
……あ?
なんだクソガキ
「おまえら、二人ともティナを持ってるな!」
「だったらなんだよ、クソガキ。お前もそうだろうが」
「ばーかばーか。ぼくはティナ持ちみたいなチュートハンパな力じゃないよーだ」
よし、殺す
「うわわわわわわわわ!待って待って!ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃ!」
「まだ何もしてねぇだろうが。これからだろ?怯えるのは」
「いや!顔が怖い!怒ってるだろ!」
今更か?だいぶ前からイラついてるよ、俺は
いや、それよりもだ
ティナじゃないなら、さっきの電撃はなんだったんだ
「そ、そんなことよりティナ持ち!ぼくを助けてくれ!この野蛮で臭くて汚いアホ面がぼくを拐おうとするんだ!」
いや、もう拐われてんだろ
「ぼくには指命がある!こんなとこで殺されるわけにはいかないんだ!」
「ほぉ?こんな頼りねぇガキに指命とはな」
「子供でも……ぼくしかいないんだ!」
ガキは涙ぐんだ目で訴えるように言った
「ぼくの名はシルク!!神の僕たる雫神の一族だ!ぼくは……この世界をとめるんだ!!」
……へぇ?これは、また……でかい指命なもんで
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