| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

天才小学生と真選組の方々。

作者:沖田
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

疑問

 
前書き
恋愛(?)あります。 

 
「なるほど」目暮警部が深く頷いた。「貴重な情報をありがとう。それと、2人目の殺害現場で起きた決闘については、報告書を提出しておいたから大丈夫だ。君たちが捕まることはない。」
私以外のみんなはホッと胸をなでおろしたようだったが、私はそうはいかなかった。神威の言葉、そして天導衆がいたことが腑に落ちなかったからだ。
会議室を出ると、総悟が声をかけてくれた。
「さっきから怖い顔して、どうしたんですかぃ?いつもブスなのにもっとブスに見えまさぁ。」
「るっさい。ねぇ、総悟は変だなって思わない?神威くんの言葉と天導衆がいたこと。」
「確かに。神威たちはあんなにあっさり引き下がるやつじゃないし、天導衆がなぜいたのかも謎ですねぃ。」
「ね?総悟が天導衆だったら、こっちに来る理由、思いつく?」
「さぁ…?何か理由がないと、来ないけどねぃ。」
「でしょ?意味もなくこっちに来るなんてありえない。それに、朧の姿が見えないのも不思議。」
「ああ…朧については、旦那に聞いてみたらどうでぃ?」
「あー!総悟あんた天才!ちょっと聞いてくる!」
私は旦那の近くに駆け寄り、私が引っかかっていることについて全て話し、朧について何か知っていることはないかを聞いた。
「朧ねぇ…」かったるそうに旦那はつぶやいた。しかし、その目には悲しげな光が灯っていた。「あいつは、俺に松陽先生を殺させた人だ。そいつのせいで、俺と高杉は対立することになった。冷酷で、不死身と歌われてるが、完璧な不死身ってわけでもなく、体に受けたいくつもの致命傷が、体を蝕んでるそうだ。」
「そっか…旦那、ありがと!」
笑顔でお礼を言うと、旦那が赤くなったのは気のせいだろうか。
「おう、でもよ」まだ頰にちょっぴり赤みがさしているまま、旦那が聞いてきた。「なんでそんなこと聞いたんだ?」
「あー、天導衆がこっちに来た理由が見つからないから、朧の性格とか特徴についてわかれば、こっちに来た理由もわかるんじゃないかって思ったの。とにかく、ありがと!」
そう言って旦那の元を離れ、総悟の元に舞い戻る。
「総悟、朧について。冷酷で不死身、旦那が松陽先生を殺すきっかけになった人。」
「それだけですかぃ?それだけじゃこっちに来た理由はわかりませんねぃ。」
「うん…真選組のデータベースに、朧のこと載ってないかなぁ。載ってたら、犯罪履歴とか一発で見つけられるし、前にこの世界に来たかもすぐ分かるのに。」
「天導衆のことは載ってないと思いやすぜぃ。」
「だよねー。私も同感。駄目元で当たってみる?」
「それは時間の無駄でさぁ。」
「そうかなぁ…」
「そうでさぁ。」
「ってきっぱり言わなくてもいいから!独り言!ムカつくからやめてよマジ!」
「あー、つい。」
「いや絶対わざとだって!」
真面目な捜査の話をしていても、私と総悟じゃあ、あっという間に突っ込み合戦になってしまう。
ここには、かなり長い時間居そうだな、と思い、私はため息をついた。

「ただいま〜。」
「あーもう疲れたアル!」とソファーにボフッ、と埋まってしまう神楽ちゃん。可愛い。私も神楽ちゃんと一緒にボフッてしようかなー、なんて考えていると、土方さんに「ボフッはいいから早く事件解決するぞ」と言われてしまう。
なんで考えてることがわかっちゃうかなー、超能力者なのかなぁー、と考えながら仕方なく少年探偵団と平次君、真選組の集まりに入る。真面目な話になりそうだったから、総悟に話しかける。
「ねぇ、なんで土方さんは私の考えてることがわかっちゃうかなー。わかんなくていいんだけど。」
すると総悟は突然黒い笑みを浮かべ、わざと大声で言う。「土方さんは恋奈さんのことが好きだからでさぁ」
みんなの目が総悟に向けられた。土方さんは真っ赤になりながら、「総悟テメェ…」と刀を取り出しかけている。
「あれれー?」総悟は黒い笑みをまだ浮かべながら続ける。「冗談で言ったつもりなのに、土方さんったら真っ赤になってますねぃ。まさかの…」
「ってちげーよ!なんで俺があんなやつ好きにならなきゃいけねーんだよ!」
「え!?大串くん、恋奈のことが好きなの?まじかー、応援するよー」
「ブスなお前とめちゃめちゃ可愛い恋奈なんて釣り合わなさすぎアル。ま、恋奈の気持ちを聞いてからデートとかするんだったらいいヨロシ。」
「土方さん、頑張ってくださいね!僕も、万事屋も応援してます!」
「万事屋ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!まじ斬るぞコルァ!」
そんなことを言いつつも、土方さんの顔はまだ赤い。それをまた総悟がいじる。
「土方さん、まだ顔が赤いですぜぃ。」
「るっせぇ!ていうか種を蒔いたのはお前だろーが!もう、事件解決するぞ!真面目にやれ!」
の一言で、みんなが真面目にやり始める。
総悟は私の方を向いてニヤリと笑った。
「土方さんはやっぱり恋奈のことが好きでさぁ。」
「ありえないから。うん。解決しようか。うん。」
とはぐらかしたことは言うまでもない。






その後、土方さんに「俺はオメェのこと好きとか思ってねぇからな」とぶっきらぼうに言った土方さんの顔が少しカッコよかったのはなぜだろうか。 
 

 
後書き
お気に入り登録&評価ありがとうございます。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧