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天才小学生と真選組の方々。

作者:沖田
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新たな発見、新たな恋の予感?

「おい、起きろ!おい!」
いつの間にか眠ってしまったのだろう、誰かに揺すり起こされた。
高く積み上がった書類を倒さないように気をつけながら起き上がると、部屋にはチョコチップクッキーの匂いがしていた。
「恋奈!早く食べないと冷めちゃうアルヨ!」
神楽ちゃんが呼ぶ声。目の前にいたのは平次君。心配そうな顔で顔を覗き込んでいる。
私はあくびをしながら「大丈夫だから」と平次君に言い、伸びをして立ち上がった。
すでに席に座っている人たちは、1人5枚ずつチョコチップクッキーを分け与えられており、食べているところだった。
私の席にもちゃんとお皿にチョコチップクッキーが5枚乗っかっていた。焼きたてらしく、チョコがまだ固まっていない。
席に座ると、隣にいた総悟が笑って「おはよーごぜぇやす、恋奈。」と言った。
「おはよ…結局どこまでわかった?」
「容疑者が3人浮上した。1人目は原一郎(はらいちろう)、2人目は青島直人(あおしまなおと)、3人目は高野黄河(たかのこうが)。その3人は全員、天導衆と関わりがあった。」
私は息を飲む。「やっぱり!で、天導衆はその殺しに関与してるの?」
「そこまではわかってない。」
「そっかぁ…さすがにそこまでは分かんないか…」
ため息をつき、クッキーをひとかじりする。
「でも、あんたらのおかげで今回の事件解決しそうやで」平次君が自信満々の笑みを浮かべ、言う。「天導衆言うんのの存在がわかったのもあんたらのおかげや。ただ、わからんことが一つ。」
平次君に視線が集まる。
「なんで天導衆と戦った時、朧っちゅうやつはあんたらを殺そうとしなかったん?」
みんなが確かに、というような表情を浮かべる。
「あんたらとは何回も世界(あっち)で戦った。っちゅうことは、あんたらの実力は嫌という程わかっていたはずやのに、5人しか天人を送り込んでこなかったってのは、なんか引っかからんか?」
「そうだな…」旦那が頷く。「そんなのは朧らしくない。あいつは多勢に無勢の環境を特に好んでいる。なんであそこでその環境を作らなかったのか、不思議だな。」
「しかも、神威たちが攻撃してこなかったのも疑問ネ」神楽ちゃんがチョコチップクッキーを見つめながら言った。「あいつは戦闘オタク。しかも恋奈みたいな強い奴らの集まりにあったら戦いたくなるはずなのに、戦おうともせず、むしろ早くこの場を去りたいって感じだったヨロシ。」
みんなはまだ討論を続けていたが、わからないことがありすぎて、私は頭がショートしそうになったから、近くにあった紙とペンを手にとって、現在わかっている疑問とわかっていることを自分なりに書き出してみる。
〈わかっていること一つ目 容疑者は3人。
             1人目 原 一郎(はら いちろう)
             2人目 青島 直人(あおしま なおと)
             3人目 高野 黄河(たかの こうが)
             いずれも、天導衆と関わりがある。
 わかっていること二つ目 第二の被害者である、中村 秀兎(なかむら しゅうと)は、神威たちとの関わりがあった。

 謎その一 なぜ神威たちは攻撃を仕掛けてこなかったのか。
 謎その二 なぜ天導衆がここに来ているのか。また、殺人事件には関与しているのか。〉
ペンを置き、紙を見つめる。こうするとわかっていないことや課題がはっきりしてわかりやすいのだ。この状態でこそ、私の頭の良さが発揮される、と私は我ながら思った。
謎その二については、今の時点で理解することは難しそうだ。もう少し調べてからにしないと。
謎その一については、今の私たちでも考えれば分かることだ。神威の性格や癖、過去にこんなことがなかったかを、真選組のデータベースに検索をかければ、今回のような行動に至った理由がわかるはずだ。ここは異世界だが、ハッキングを使えば異世界であろうとデータベースに侵入することができるはずだ。6桁の文字列を入れてログインするものだったから、あーしてこーしてちょっといじくれば、すぐに見ることができる。
頭が正常に動いてきた。まずはハッキングからだ。よし、と自分の世界から抜け出し、話し合いに意識を戻すと、みんなが私を見ていることに気づき、びっくりする。
「え、と」私は声を絞り出す。「なんで私を見ているのかな?うん。まずそこから。」
「だって」神楽ちゃんが面白そうに身を乗り出して言う。「恋奈が考え事してる時は、大抵私たちの役に立つことを考えてるって、決まってるアルヨ。さて、何を考えていたアル?」
唐突そんなことを言われて、少しプレッシャーがかかったが、落ち着いた様子を装って話す。「あのね、私なりに、今の時点でわかっていることと謎を自分なりに書き出してみたの。」私は紙に書いてある、わかっていることと謎を読み上げた。「謎その二には、もう少し情報が集まってからじゃないとわからない。だから一旦置いておくの。で、今一番分かりそうなのが謎その一。なぜ戦闘オタクである神威が攻撃を仕掛けてこなかったのか。これは神威の性格や癖、過去に同じようなことがなかったかを真選組のデータベースに検索をかけるの。そうすれば、今回のような行動に至った理由がわかるはず。ここは異世界だけど、ハッキングを使えば異世界(こっち)であろうとデータベースにアクセスできる。ハッキングは私がやる。だからまずそのことについて調べてみない?」
しばらく沈黙が続いた。おもむろに口を開いたのは土方さんだった。
「お前、すげーな。さっきの短時間でどうやってそんな難しい事考えたんだよ。」
「本当にすごいアルヨ、恋奈!」神楽ちゃんが目を輝かせる。「さすがは『姫』と呼ばれただけの事があるアルネ!頭も一番、戦闘でも一番なんて、そうそういないアルヨ!」
「そうと決まったらやるぞ」コナン君が言う。「今からパソコン持ってくるから、ハッキングしてみて。」
私は「わかった」と頷く。コナン君が走っていき、パソコンを手に戻ってくる。
パソコンを渡され、開き、インターネットを開く。
まずログインする時の6桁の暗証番号を入力し、「銀魂」の公式サイトが表示されると、ランダムに数字を打ち続ける。すると画面が真っ暗になり、先ほど入力した数字が表示された。
そこからはハッキングの手順を踏み、難なくデータベースに侵入することができた。
神威のデータを表示し、検索機能で検索をかける。すると、今回の事態に似ている案件が一つ見つかった。
その時の神威の心理を分析すると、次のような結果になった。
その時神威は、自分が殺されるかもしれないという緊迫した状況だった。
また頼りにしていた人が殺されたことで心の支えを失っており、感情が不安定な時期、そして物事が自分の思い通りにいかないことで、少し焦っている時期だった。
「つまりは、」平次君が顎に手を当てて考えながら言う。「今の神威も同じような状況に置かれているっちゅうことやな。」
「謎が一つ解明したね。」
コナン君が言うと、みんなは少しほっとしたようだった。
みんなの役に立てて、本当に良かった、と私も胸をなでおろしたのだった。







そのあと、総悟に「さっきの恋奈、すごかったでぃ。少し見直したでさぁ。」と言われ、私が嬉しかったのはなぜだろうか。
総悟がいつもよりイケメンに見えたし。
最近の私はどうなっちゃっているのだろうか。土方さんがかっこよく見えたり、総悟がかっこよく見えたり。異世界に来たせいで感覚おかしくなっちゃったかなぁ。 
 

 
後書き
恋愛に偏ってきてる気がする。やばい。 
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