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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十九話 夏祭り前日その十四

「それにするわ」
「朝顔もいいよね」
「浴衣の定番よね」
「うん、何といってもね」
 本当に浴衣といえばだ、どちらも夏の風物詩だけに揃う。
「そうだよね」
「だから虎がないと」
「朝顔だね」
「そうするわ」
「そういえば」 
 ここで僕はあることを思い出した、それはというと。
「うちにも朝顔あるね」
「八条荘にもね」
「うん、奇麗なのがね」
「青や紫、赤紫でね」
 あと青紫だ、奇麗な朝顔達が絡まって咲いている。
「咲いてるわね」
「あの朝顔もいいね」
「夏はやっぱり朝顔よ」
「お花はそれなんだね」
「私的にはね」
「夏のお花は色々だけれど」
 僕は少し考えてから美沙さんに言った。
「第一はやっぱり」
「義和も朝顔?」
「好きなお花は薔薇と菊だけれどね」 
 夏というとだ。
「朝顔か菖蒲だね」
「どっちも青系統ね」
「うん、言われてみればね」
「青好きなのね」
「好きな色だよ」
 実際にとだ、僕は答えた。
「お花の色にしても」
「そうなのね」
「それでもね」
「それでもって?」
「一番好きなお花は二つあるんだ」
「どれとどれなの?」
「薔薇と菊なんだ」
 この二つのお花だとだ、僕は美沙さんに答えた。
「この二つなんだ」
「薔薇と聞くなのね」
「うん」
 僕はここで頷いてそれで返答にした。
「そうだよ」
「何かタイプがそれぞれ違うけれど」
「小さい時に、物心ついた時に」
 本当にそんな時にだ。幼稚園の頃のことだ。
「親父に植物園に連れて行ってもらって」
「そこで観てなのね」
「奇麗でね」
 その薔薇と菊達がだ。
「あんまり凄かったからなんだ」
「その時からなのね」
「どっちのお花も好きなんだ」
「ひょっとしてそれって」
「それって?」
「その植物園って」
「そう、八条植物園だよ」
 この八条学園の中にあるだ。
「あそこになんて」
「お父さんに連れて行ってもらって」
「その時に観たんだ」
「うちの植物園って色々なお花あるのよね」
「世界中から植物集めてるよね」
「それで特にお花が多くて」
「薔薇園と菊園あるね」
 この二つもだ、あの植物園の売りだ。 
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