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天才小学生と真選組の方々。

作者:沖田
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捜査と戦闘

 
前書き
RENAは戦闘シーンが苦手。優しい目で見てあげてください。
今回ちょっと長めです。 

 
「んーっ!」
トリップしてもしなくても、私はいつもこの時間に起きるもんなんだな、とつくづく思う。
体を起こすと、ザキ、新八君、土方さん、近藤さんはもうとっくに布団から出て、いなくなっていた。残っているのは旦那、神楽ちゃん、総悟、私の4人。
私は布団から出て、隣に置いておいてくれた隊服を手に取って小部屋に入り、着替えを済ませた。
寝室から出ると、パンの匂いが立ち込めていた。朝ごはんはパンのようだ。
1階に降りると、それぞれの席にはパンとポタージュがおいてあった。
「おはようございます、恋奈さん。」
みんなの席にスープ用のスプーンを配りながら、新八君が言った。
「ん、おはよー新八君。朝からお手伝いなんて、精が出るねー。」
「いつもやってるので慣れちゃってるんですよ」と言いながら笑う新八君。真面目だねぇ。
「あ、そうだ。もうご飯できたので、外にいる土方さんたちを呼んで、上にいるみんなを起こしてもらえませんか?」
「ヤダ」
「即答ですね」
いやだと言ったものの、結局は新八君に押し切られ、行くことになってしまった。
めんどくさ、と思いながら外に出ると、はかせと近藤さんたちが掃除をしているところだった。
「ご飯できたから、中に入って、だってー」
と伝え、また室内に戻り、上に上がり、総悟たちの部屋に入る。
ここの人たちは、途中で起こすとめちゃめちゃ不機嫌になるから、1人ずつ起こして「ご飯できたから食べてー」と言って回った。ああ、めんどくさい。
最後は少年探偵団の部屋だ。子供とかなかなか起きないし、起こすのめんどくせぇ。
ドアを開けると、案の定みんな眠っていた。めんどくさい。ここで私は大声を出して起こしてみることにした。
「起きろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」
大声の力ってすごい。子供たちが起きてきた。
「ご飯できたってよー、早く食べてー」
そう言って私は部屋を後にした。

下に降りると、ほとんどのみんなは揃って、朝ごはんを食べていた。
新八君に「子供たち、もうちょっとで降りてくると思うから」と言い、席についてご飯を食べた。
少しすると、子供たちが降りてきた。
「おはよー、はかせー」
とはかせに挨拶すると、子供たちは席についた。
すると、コナン君のスマホが鳴った。コナン君が席をたち、電話に出る。
「どうしたの蘭姉ちゃん。うん、起きてる。…」
少しするとコナン君が戻ってきて、言った。「あのね、今日朝9時から事件の現場を見て欲しいから、探偵事務所前まで来て欲しいって。あと、今日お兄さんたちがあったことない探偵も捜査に加わるって。」
「その人だぁれ?」
歩美ちゃんが聞くと、コナン君は嫌そうな顔で「平次だよ」と呟くように言った。
とまあ、こんな感じで朝ごはんは過ぎていき、9時に一行は阿笠はかせの家を出たのだった。
住宅街を抜け、大通りを通り、ビル街に入った。
何メートルか先に、毛利さんたちがいた。今日は警察は来ていないようだ。初めて見た人といえば、色黒の男の子と短い髪をポニーテールにした女の子だ。2人は親しげに喋っている。カップルなのだろうか。
「あ、コナン君!」蘭ちゃんが手を振った。
子供たちは蘭ちゃんたちの元に走って行った。私たちはそのまま。
「おはようございます、蘭さん!」
「今日の捜査、頑張ろうねー!」
と、蘭ちゃんのところに群がる(?)子供たち。蘭ちゃんは人気者みたい。
「こいつら誰や?」色黒の男の子が関西弁で聞く。明らかに怪しんだ目を向けている。
「えとー、あのー、そのー、私たちは…」私が返答に困っていると、コナン君が「今回の捜査に役に立つ人たちだよ。」と言った。
「へぇー!」ポニーテールの女の子が鼻がくっつきそうなほど顔を近づけて言う。「結構な美人さんやないか!何歳なん?」
「じゅ、18です…」
「ほんまかいな!めっちゃかわいいやん!あ、私遠山和葉ゆうん。よろしくな!」
和葉ちゃんがやっと顔を離して言い、手を差し出してきたので、私は握手をした。
「如月恋奈って言います!よろしくね!」
和葉ちゃんが両手をほっぺに当てて言う。「うわぁー、ほんまにかわいいわー!モデルとかやっとるん?」
「おい和葉!」色黒の男の子が言う。「何東京来てアホなことやっとるん!そないなこと大阪でもできるやないか!こっちには調査に来たんやで、調査に!」
「余計なお世話やで、平次。東京に来て何するかなんてこっちの勝手やないか。」
と言い争いを始める2人。でも、カップルにしか見えないなぁ…なんて私は思う。
「おめーらうるさい!」小五郎さんが言う。「人を待たせてるのがわかんねーのか!ったく、誰だよこいつら呼んだの…。」
2人は我に返った。男の子が自己紹介をする。
「俺は服部平次や。高校生探偵をしとる。『西の高校生探偵』って呼ばれとる。」
「西ってことは…」新八君が言う。「東もいるんですか?」
「せやな」平次君が頷く。「工藤新一ってやつがおる(平次君はコナン君をなぜかちらりと見た)。今は事件の調査で忙しくて、姿現してないがな。」
「しかもな!」和葉ちゃんが蘭ちゃんの肩に手を当てる。「蘭ちゃんの彼氏なんやで!」
「ちょっと和葉ちゃん!」蘭ちゃんが顔を赤らめて言う。「そんなんじゃないってば!ただの幼馴染みよ!」
「だって、ロンドンで告られたんやろ?新一君に!」
「告られてないってばー!」
キャッキャとはしゃぐ2人。青春だねぇ。
「あー、もういい!お前らおいてくぞ!」
そう言ってさっさと歩き出してしまう小五郎さんを、みんなで慌てて追いかけた。
20分くらい歩くと、工事現場があった。ビルを建設するつもりだったのか、むき出しになった鉄骨は、30メートルくらいの高さまであった。
「KEEP OUT 立ち入り禁止」と書かれた黄色いテープをくぐって中に入ると、特に何も変わらない工事現場だったが、床についた血の跡と、遺体の位置を示す白いテープがここで殺人事件があったことを物語っていた。
「ここが、1回目の殺人事件の現場か…」平次君が言う。
「この人は、刃物で胸をひと突き刺されて、失血死。2人目と3人目も同様だ。」小五郎さんが顎に手を当てながら言った。
小五郎さんと平次君、少年探偵団は現場を歩き回っている。真選組は何回かこのような事件の調査をしたことがあったので、他のみんなと同じように現場を見ていたが、後の人たちははただそれを見つめているだけだった。
「どうだ?なんかわかったか?」元太君が聞いてくる。
「ううん、ぜーんぜん。」私は首を横に振る。
その時だった。
「危ない!」
旦那の鋭い声がして、私たちは上を振り仰ぐ。
長い杖のようなものがこちらに飛んでくるのが見えて、私はとっさに元太君を突き飛ばす。
杖が地面に突き刺さった瞬間、シャリン、と音がした。
「天導衆…!」新八君の驚いた声が聞こえる。
「元太君!大丈夫?」私がとっさに聞くと、「おお!」という声がした。よかった、無事だ。
ホッとしたのもつかの間、上から6人の天人が降ってきた。みんな天導衆らしい。
私たちはみんなを後ろにかばって、剣を抜く。メンバーは万事屋と私、総悟、土方さんだ。
近藤さんとザキはみんなを安全な場所に誘導している。
1人対1人。簡単に倒せる。
が飛び出すと同時に、私たちも飛び出していった。
剣で切りつける。が、あっけなく杖で防がれた。相手の剣を取ろうと技をかけるが、逆にこちらの剣が取られてしまった。はるか遠くに剣が飛ぶ。
杖で突かれたが避け、相手の懐に潜り込みみぞおちを殴る。ぐはっ、と血を吐く音。そのままその拳を上に持って行き、顎を打つ。敵が後ろにつんのめって倒れた。
その隙に杖を奪い、胸に突き刺すと、血が出て、あっけなく息絶えた。
剣を拾い、鞘に収め、みんなの方を見やると、みんなもそれぞれの戦いを終えて、息を整えているところだった。
みんなと一緒に近藤さんたちの元へ戻ると、近藤さんとザキはこちらを見てしっかり頷いたが、他の人たちはみんな驚きと恐怖を顔に浮かべていた。
「逃げるぞ」土方さんが言った。「ここは危険だ。あいつらが倒れたことを知って、いつ援軍が来てもおかしくない。ひとまず手近な店に潜り込むぞ」
みんなが頷き、出て行こうとする中、コナン君たちは怖気付いてしまったのか、全く動かない。
「おい、いくぞ」土方さんが呼びかけるが、なかなか動かない。
「お前らぁぁぁぁ!」土方さんが突然大声を出したせいか、みんながビクッとする。「あれを見て怖がってんだろうが、今はそれどころじゃねぇ。早く逃げねえと、さっきと同じ光景を見ることになるぞ。それでもいいのか?いくぞ。」
次は、一斉にみんなが駆け出した。
 
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