ぼくだけの師匠
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第1章~ぼくらを繋ぐ副作用~
09.太刀川隊とお茶
前書き
占ツクでは花火話があったが、やりわすれた。
仕方なく、この話を追加で入れました。
唯我、扱い悪くてすまない。
風間と如月はなぜか太刀川隊と外食している。
本人たちですら、理由がわからないまま、食事をする。
如月は菊地原の件を相談がてら、食事をしようと風間をファミレスに誘った。
向かったファミレスには運悪く、太刀川隊が先に来ていたのだ。
そして無理に座らされ、今に至る。
如月は唯我を指差して今更の質問をした。
「すまないがどちら様だったかな」
如月は興味ないことは覚えない主義なのだ。
今まで食事しておいて、今更の質問に唯我は嘆いた。
太刀川は慰める気はないようだ。
「唯我尊ですよ、如月さん!!
ボクを忘れるふりして、はぶくつもりなんだな!?」
如月は無視してチーズインハンバーグを食べる。
どうやら思い出して、興味ないと結論付けたようだ。
可哀想ではあるが、誰も何もしない。
唯一出水が可哀想と感じたくらいで。
太刀川の方も如月と風間に今更なことを尋ねた。
普通なら会ったはじめに聞く話だが。
「二人はなんでファミレスに来たんだ?
まさかデート!?うわ、彼女欲しい!!」
勝手に暴走する太刀川は放置して、如月は冷たく言い放つ。
「風間に相談がてら食事だ。
邪魔をしたのは太刀川、お前だ。」
「なんだ、相談がてら食事かよ。つまらないな~」
何を期待していたのか、言われなくてもわかる気がする。
国近は如月を眺め、女の勘を働かせる。しかもフルパワーで。
女の勘は根拠に基づくと言うが、国近はどうだろうか。
パフェを食べながら国近は当ててみせた。
「恋したんでしょ~いや、告白されたのかな?どっち?」
「・・・当てなくていいぞ、別に」
「マジで!?」
太刀川と出水は声を合わせて叫んだ。
いったい女性にどんな扱いをしているのか、聞きたくなるような驚きようだ。
風間は二人を冷たい目で見つめている。
チーズインハンバーグの中身のチーズが伸びるのを見ながら、如月はため息をつくしかなかった。
「だろ?やっぱり、おかしいだろ?俺に告白だぜ?
いかれた奴か、財産目当てか。どちらにしろ、怪しい。」
「ほぉ、怪しい奴に告白されたのか」
風間がそう聞くものなので、如月は明らかに動揺する。
ナイフでハンバーグを食べるという器用な真似をする。
基本的に動じない如月が動揺するレアなシーンを眺める太刀川。
その様子を眺める国近は気づいたのか、「ふふーん」と笑うだけ。
風間も気づいたらしく、口を開いた。
「あれが財産に飛び付く器の小さな男とは思えないが。」
「ねぇ、だから誰のことだよ!!」
「そんな男なら風間さんに斬られてますよ」
国近がさらりと物騒なことをいうが、無視をしておこう。
まだ気づかない三人だったが、唯我だけは違う反応をしてみせる。
「君みたいな野蛮人を選ぶなど、男も見る目がないな」
「貴様、菊地原を馬鹿にするなど許さん・・・
あっ」
如月はうっかり自ら話してしまった。
このときばかりは太刀川や出水は唯我に感謝した。
せっかく風間や国近が名前を明かさなかったのに、如月は自らバラして恥ずかしかったようだ。
チーズインハンバーグを慌てて口に詰め入れている。
「でも菊地原なら大丈夫だろ?
安心していいんじゃないんですか、姉貴。」
出水はエビフライを食べながら言った。
姉貴呼ばわりするのは出水と米屋、諏訪ぐらいだろう。
それを見ていた如月は真剣な顔でかつ心配そうな顔で言った。
「エビの尻尾は、ゴキブリの羽と同じ成分でできているんだ」
「ぶ~っ!!マジすか!?」
「大真面目だ。」
太刀川も唯我も国近も、不安そうにエビの尻尾を眺め始める。
うまく話をすり替えた如月だ。
風間は冷静に携帯の画面に、ゴキブリを出して見せてくる。
「お茶もあるぐらいだから大丈夫だろう。
ゴキブリは人間に害のある菌は一切持っていない。」
「あるのは足についた埃ぐらいだよな。」
「ゴキブリ話で盛り上がるのはやめません!?」
なぜかゴキブリ話に盛り上がるおかげで、今だけは菊地原の話を触れられずにすんだそうだ。
ちなみに、この中の誰しもが飲みたくないお茶にゴキブリは含まれている。
後書き
第一章は占ツクのシナリオまで。
はぁ~アニメで風間隊メイン話があればいいのに。
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