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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十九話 夏祭り前日その十

「弱ってきたら底意地の悪いことしてくるぜ」
「大人になっても碌な奴にならないしな」
「そうした奴とは付き合ったらな」
「絶対に駄目だぜ」
「そうだよね、本当にね」
 僕もこう答えた。
「そうした人とはね」
「相手にしないに限るぜ」
「最初から無視だよ」
「そういう奴はな」
「もう付き合わないのが第一だよ」
「そうだね、そうした人に会っても」
 僕もこう思うことだった。
「無視が一番だね」
「ああ、たまにそういう奴いるけれどな」
「とんでもなく嫌な奴」
「そういう奴を前にしたら」
「やっぱり相手にしない」
「それがいいな」
「それに尽きるぜ」
 こんなことをだ。僕達は話していた。そうしたことを話して休憩時間を過ごしていた。そしてその後でだった。
 僕達はまた練習をした、そしてその練習の後でだった。
 僕はお昼御飯を食べたがその後でだった。
 美沙さんが僕のところに来てだ、こんなことを言って来た。
「ちょっといい?」
「どうしたの?」
「明日のことだけれど」
「ああ、お祭りのこと」
「そう、そのことだけれど」
 あらためてだ、僕に言って来た。
「かなり凄いお祭りみたいね」
「うん、出店も沢山出てね」
「それで人も一杯出て」
「そう、凄いお祭りだよ」
 僕はこう美沙さんに話した。
「実際ね、ただね」
「ただ?」
「賑やかなだけに色々な人が来るから」
「物騒になるから」
「そう、だからね」
「用心が必要ね」
「すりとかもあるからね」
 そうしたことがだ、実際にあるからだ。僕は美沙さんにこのことを話しあt。
「注意してね」
「うん、ちゃんと懐の中に入れておくわ」
 お財布をとだ、美沙さんも僕に確かに答えた。
「浴衣のね」
「浴衣着るんだ」
「そのつもりよ、北海道でも着てたけれど」
 北海道のお祭りの時にもというのだ。
「明日も着るつもりなの」
「うん、じゃあね」
「着るわ。それとね」
「それと?」
「お財布は本当に厳重にガードするから」
 美沙さんはかなり真剣にだ、僕の言葉に答えた。
「安心してね」
「うん、くれぐれもね」
「私もお財布渡すつもりないし」
 絶対にとだ、美沙さんは僕に強い声でまた答えた。
「すりにやられるつもりはないわ」
「だから懐に入れるんだね」
「浴衣の懐の中にね」
「そうするわ、袖の下には入れないわ」
 浴衣のそこにはというのだ。 
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