天才小学生と真選組の方々。
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協力
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一番最初の設定が、少し変わったりしてますので、時間があれば是非みてください。
「はぁー」
と、私は大きくため息をついた。
ここは、警察署。先ほどの一騒動から一転、静かな会議室に私たちは移されていた。
「んもー!いつまでここに居させる気アルカ⁉︎あいつら、もう一回顔を見たらぶっ飛ばしてやるネ!」
「そうだぞー神楽ぁー」旦那が気の抜けた声で言う。「その意気だぁー。銀さん加勢してやるぞぉー」
「おい万事屋。団結してるのはいいんだが、俺たち事情聴取されるんだぞ?ちったあ危機感持ってもいいんじゃねえか?」
「そうでさぁ。」珍しく総悟が土方に同意したかと思えば、すぐに意見を翻した。「でも、入ってきた途端に一網打尽にするっていう案もありまさぁ。」
「あのね!」少しイラついていた私は大声でそう言い、立ち上がる。「すべてはあのトリップ装置のせいなんだから!今この場にいる人間を倒すより、帰ってから源外のじーさんボコるっていう手もあるんだからね!ちなみに私はそっち派!」
やめとけよー、そんなんじゃ気が済まないアル!、誰もボコらないっていう手はないんですか?などと声が飛び交う中、コンコン、とドアを叩く音がすると、みんなは一斉に押し黙った。
「失礼しまーす!」
と大きく元気な声が聞こえ、先ほどの騒動の時にいた刑事さん5人と、ちょび髭のおじさん、少年探偵団、高校生くらいの女の子が2人(1人はショートカット、1人は髪をおへそのあたりまで伸ばしている)が順に入ってきた。そして、私たちの前に座った。
「少年探偵団が言うには」と、まず恰幅のいい刑事が言った。「君たちが今回の連続殺人事件に深く関わっているというんだが…」そこで刑事は少年探偵団に視線を送った。
「うん」とコナン君が言った。「あのね、お兄ちゃんたちってさー、この人たちだよね?」
そう言ってコナン君が見せてきたのは、私たちの写真だった。
「お!」最初に反応を示したのは旦那だった。「これってよー、あの時のじゃねーか?ほら、大串くんが、喫煙しようとした時の!」
「あー!あのときアルカ!でも、そんなものが何でここにあるアル?デジカメの映像、ネットに流した覚えないヨロシ。」
「それはいいとして」コナン君がはしゃぎ気味の私たちをなだめて、言った。「そこのチャイナ服のお姉さんと、軍服着たお姉さんのお兄ちゃんたちが、宇宙海賊春雨第7支部の団長と副団長やってるの知ってる?」
私たちの顔が曇り、空気が張り詰めた。私は唇を噛み締めて、傘の柄を握りしめた。
顔が曇ったのを見て、コナン君がやっぱり、という顔で続ける。「その人たちのことについて、詳しく教えて欲しいんだけど。」
「そう、少年探偵団はいっとるが…」とまた恰幅のいい刑事が言った。「どうするかね?」
「断固拒否するアル」神楽ちゃんが静かに言う。うつむいているせいで、顔色がよく読めない。「あいつとはもうとっくの昔に縁を切ったネ。今更思い出したくもないアル」
「私も拒否するわ。見ず知らずの人に、どうしてとっくの昔に縁を切った人の話なんて、しなくちゃならないの?」
「とまあ、こういうことだ」旦那が言う。「てことで、俺たちはこれで。」
旦那が立ち上がり、次に新八くん、神楽ちゃん、土方さん、総悟、近藤さん、ザキ、最後に私が立ち、部屋を出て行こうとすると、
「待て!」「毛利くん、やめなさい!」
という声がし、私の後ろに拳が振りかざされた。しかし私はそれを受け止めると同時に、その人を投げ飛ばした。
「うわっ!」
声をあげ、そのおじさんは部屋の端まで滑っていった。
そして、みんなが部屋をまた出て行こうとすると…
「待って!」
とコナン君の鋭い声。これにはみんなが振り向いた。
「お姉さんたちのお兄さんのせいで、罪のない人が何人も亡くなってるんだ!それを止めたいとは思わないの?」
確かに。私はそう思った。でも、私には関係ない。そう思う自分もいた。
「そうか」旦那がゆっくり言う。「なるほど、な。じゃあよ、取引をしようぜ、ガキ」
「銀さん、何…」と新八くんが言いかけたのも無視して、旦那は話し続けた。
「いいか。俺たちはお前らの事件の解決に協力する。その代わりこっちは報酬をもらう。これでどうだ?簡単だろ?」
コナン君は、恰幅のいい刑事に目配せした。刑事が頷いた。
「いいよ」
「よし!じゃあ、交渉成立だ!てことで、これから一緒に長く行動することになるんだし、自己紹介でもするか。早速だが、ガキ、名前は?」
「江戸川コナン。帝丹小学校の一年生。少年探偵団のメンバーだ。で、こいつらが…」
「同じく吉田歩美!」
「同じく小島元太!」
「同じく円谷光彦!」
「…灰原哀。」
コナン君は哀ちゃんに視線を向けてから、刑事の方に目配せした。刑事が端から順に自己紹介をしていった。
「目暮です。」
「高木です。」
「佐藤です。」
「千葉です。」
「白鳥です。」
その隣には、ショートカットの女の子。
「鈴木園子です!鈴木財閥の令嬢です!」
隣の子は、「園子〜、そこまで言わなくても…」と言いながら、自己紹介をした。
「あ、毛利蘭です。で、あそこでノビてるのが…」(と言ってさっき私が投げ飛ばしたおじさんを指差し)「私の父の、毛利小五郎と言います。探偵をやっております。」
へー、とかふーん、とかみんなは感想を漏らしながら、一通り自己紹介が終わったのを見ると、旦那がまず自己紹介をした。
「えーっと…ニート侍、坂田銀時でーす。甘党でーす。ぱっつぁんと神楽と、万事屋やってまーす。」
「志村新八です。突っ込み役です。好きなアイドルはお通ちゃんでスーパーロボット大戦。」
「神楽アル!はっきり言って、ヒロインならぬ、ゲロインネ!男たちに翻弄されながら生きてるヨロシ!」
「近藤勲でっす!真選組の隊長やってます!好きなお妙さんは、お妙さんでっす!」
「えー…山崎退です。とにかく運が悪いです…。」
「土方十四郎だ。真選組副隊長で、マヨラーだ。」
「沖田総悟でーす。真選組一番隊隊長でーす。ドSでーす。土方さんの命狙って生きてまーす。」
そして、最後が私の番だった。そこで、私は迷った。本名を出すべきか、偽名を出すべきか。
そうこうしていると、総悟と目があった。総悟は、目で【偽名にしたほうがいいでさぁ。】と言っていた。
「き、如月恋奈です。真選組一番隊副長をやってます。マイペースで、自由人です。」
「っとまあ、こんなもんだ。てことで、よろしくな。」
と最後に銀さんがまとめて、自己紹介は終わった。
これが、悪夢の始まりだった。
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