| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

天才小学生と真選組の方々。

作者:沖田
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

少年探偵団との出会い

 
前書き
一番初めの設定が少しずつ変わったりしているので、時間があれば見てください。 

 
私たちは、万事屋の3人にも事情を説明した。
「「「名探偵コナン?」」」
「そうだ。総悟によると、推理物の漫画だそうだ。」
「んだよー」と呑気に鼻をほじりながら言ったのは旦那「せっかくアニメとか漫画の世界に来るならよー、そんなオタクっぽいのじゃなくてよー、もっと、こう…なんていうか、冒険物?みたいな感じのがよかったわー。」
「って銀さん!」新八くんが言う。「そんなこと言ってる場合じゃないですよ!ここは異世界なんですよ!もっと危機感を持ってください!」
「そうですよ旦那」私も後に続く。「選り好みしてる場合じゃないですよ!とりあえず、名探偵コナンの主人公、江戸川コナン君を探してみたいと思ってるんですけど…」
「てかよー」また鼻をほじりながら旦那が言う。「そいつ子供?子供ならあそこに丁度いいガキがいるぞ。」
そう言って旦那が指差した先にはパソコンで何やら見ている5人の子供達。
女の子は2人。どちらもショートカットで、1人はパソコンを操作している。
男の子は3人。1人はメガネをかけていて、顎に手を当て、難しそうな顔で何やら考え込んでいる。1人はがたいがよく、もう1人は少しやせ気味だ。
私はメガネをかけた男の子を少しの間、まじまじと見つめた。と、すぐに思い当たるものがあった。
「旦那!」私は走り出しながら言った。「あなた本当に天才じゃないですか?そうです、あれが江戸川コナン君です!総悟、いくよ!」
驚く旦那と他のメンバーを尻目に、私と総悟は駆け出した。みんなが後から追いかけてきているのが、足音で分かった。
男の子たちに近づくと、声が聞こえてきた。何しろ小学1年生。人が大勢いてもお構いなしに大きい声でしゃべるものだから、会話が筒抜けだった。
「おい、お前ら、何s「「しーっ!」」は?何?」
「今、あの子たちが何を探っているのかを、会話を聞いて突き止めようとしてるんです!旦那もそれぐらいわかってくださいよ!」
ややあって、みんなを黙らせた後、万事屋と真選組のメンバーは、みんなが小学1年生5人の会話に聞き入っていた。
「…ていうか何でお前らきたんだよ!これは殺人事件なんだぞ!命落としたらどうする!」
「それはコナン君が1人で抜け駆けしようとするからじゃないですかー!」
「そうよそうよ!コナン君のせいだからね!」
「そうだぞ!いつもいつも美味しいところ取って行きやがって、少年探偵団の面目丸潰れじゃねーか!」
「チッ。たくよー、何かあっても知らねーぞ!」
「「「大丈夫!」」」
「あ、ところで灰原さん、例の手帳にかいてあった言葉、ネットで検索かけて見つかりましたか?」
「ええ、バッチリ。今からその資料見せるから。」
と言って女の子の1人がパソコンを操作し、2人の男の写真を見せた。
「宇宙海賊春雨、第七師団、で検索をかけたら1番にヒットしたのは、この2人ね。ただ、この世界には実在してないみたいなんだけど。」
宇宙海賊春雨、第七師団⁉︎
私は後ろを振り返った。みんなが緊迫した表情になっていた。特に神楽ちゃんは。神楽ちゃんと目を合わせると、神楽ちゃんは頷いて見せた。
「か…かみ…」
「あ、ふ、うさぎ?」
「なんて読むんだ?この漢字。」
「検索してみたところ、どうやら、右はかむい、左はあぶと、って読むみたいね。」
神威と阿伏兎⁉︎
またもや全体に緊張が走る。神楽ちゃんの表情が、さらに険しくなったのが見て取れた。
「あ、それと」と女の子がまた喋りだす。「もう1人、ヒットしたのは、高杉晋助、っていう男の人。」
何回めだろうか、空気が張り詰めた。旦那が険しい目で、剣のつかを握った。
「でも、灰原、存在しないってどういうことなんだ?」
「実はさっき言った人たちは全員、『銀魂』っていうアニメの登場人物でしかないのよ。」
銀魂…私たちの作品は、この世界ではこう呼ばれているのね。
そこまでわかったところで、私はその子たちに気付かれないように神楽ちゃんのところまで移動し、小声で言った。
「神楽ちゃん、これ以上追求したら、あの子たち…」
神楽ちゃんが頷く。「命の危険があるアル。神威たちもここにいるのなら、証拠を残さないようにして帰りたいはずネ。でももし、自分達のことを知っている人間がいたら…」
「完璧に殺される。」
旦那も頷いた。「高杉達のことだからな。」
「どうするアルカ?」
「ちょっと手荒なやり方だけど…」
みんながまさか…という顔で見守る中、私は大胆に傘を開いて、5人の子供達の前に躍り出た。
子供達がびっくりした様子で私を見る。
「こんにちは、少年探偵団の皆さん。」
3人の子達が驚いたようにささやき合った。だがパソコンを操作している女の子とメガネの男の子は鋭い眼光でこちらを見据えている。
「ところで」剣を鞘から抜く。刃が日の光を浴びてキラリと光ると、みんなは一歩後ずさった。「なんで宇宙海賊春雨について調べているのか、教えて欲しいの。」
周りの人たちがざわつき始めた。やばい。長居は禁物だ。
「それってさー」メガネの男の子が静かに言った。「僕たちを脅してるの?」
「ええ。その通り。よくわかったわね。あなた、お名前は?」
「江戸川コナン」
「そうなのね。コナン君、とでも呼ばせてもらおうかしら。」
言いながら、私は総悟と目を合わせた。そして目で言った。【江戸川コナン君は、この子だった!】
総悟は頷いた。私はまた少年探偵団に視線を戻した。
「教える気はないの?」
「何で教えなくちゃいけないのか。まだそれについて聞いてないよ」
「それを言う必要はないわ」
「へー。じゃあこっちも言う必要ないよね?」
「でも言うことになるわ。」
「どうして?」
「そっちはただの子供。でもこっちは大人。しかも剣を持っている。圧倒的に弱いのは、どっちかって事ぐらいわかるでしょ?」
「子供だけじゃないよ」
コナン君がそう言った途端、あっちこっちで銃身を起こす音が聞こえた。
「動くな!警察だ!今すぐその武器を捨てて、その子供たちから離れなさい!」
私はコナン君を見据えた。この子、思った以上の頭の良さだ…。
「早く!」と警察が急かす。
私はコナン君を一瞬見やり、すぐに近藤さんに目配せした。近藤さんが頷き、大きな声で言う。
「真選組!戦闘準備!」
その途端、コナン君が不思議な行動をとった。突然女の子からパソコンを取り上げ、キーボードを叩き始めたのだ。
私はそれにも目を配りながら、近藤さんの掛け声を聞いて総悟、土方さん、ザキが刀を鞘から抜き、警察の方に向けたのも見ていた。万事屋の3人も、同じように行動したのも。
警察が一瞬ひるんだが、恰幅のいい刑事さんに「怯むな!」と言われてまた銃を構え直した。
私はフーッと息を吐いた。できることならここで人を傷つけたくない。でも、今は緊急事態だ。
近藤さんが真選組のメンバーに目配せをした。私は頷いた。
そして、頃合いを見て突入しようとした…その刹那だった、。
「待って!」
鋭い声が聞こえた。みんなも、そして警察も、その言葉を発した少年、コナン君に視線を注いだ。
「目暮警部、その人たちは、今回の連続殺人事件に大きく関わっている、重要な人なんだ!だから、攻撃しちゃダメだよ!」
連続殺人事件?
そこから、私たちの災難が続いていくのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧