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天才小学生と真選組の方々。

作者:沖田
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別世界

 
前書き
恋奈サイドだったりコナンサイドだったりとあっちこっち行ってすみません。次話でコナンたちと恋奈たちが会う予定です。 

 
「どーなってんだコレェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!」
私は旦那の声で目を覚ました。そんなに騒がなくても…と思いながら。
「ん…どうしたんですか銀さん。そんなに騒がなくても…ってオイィィィィィィイィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!ここどこダァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!」
新八くんが驚いている。普段はとても真面目な子だから、旦那みたいにいつでもどこでも発狂しないはずなの新八くんが驚いている。
これは一大事だと、ガバッと起きると、そこは宴会後で散らかり放題の、いつもの見慣れた万事屋…ではなかった。
裏路地だった。あの、ねずみとかがいそうな裏路地。ゴミ捨てとかに料理人がよくやってくる(?)裏路地。
「こ、ここどこアルカ?ターミナル周辺アルカ?」
神楽ちゃんも、近藤さんも、ザキも、総悟も、土方さんも、旦那も、新八くんも、もちろん私も、知らないところだった。
「と、とりあえず、皆さん、全員いますか?」新八くんが震え声ながらに聞く。
「ええ」
「いるアルヨ」
「おう」
「はい」
「おう」
「いまさぁ」
「います」
「いるぞ」
みんないる…多分。と私は思っていたが、旦那があと一人いないことに気がついた。
「げ、源外のじーさんは?」
あ、とみんなが小さく声を漏らす。その時だった。
『おい!銀の字!』
と、どこかから声が聞こえた。源外のじーさんの声だ。
「じ、じーさんん??」
『おう!銀の字、無事か?』
「無事か?じゃねー!俺たちどこにいんだよ!てかまずじーさんどこにいんだよ!突っ込むことありすぎるわ!」
『俺が起きたら、お前らがいなくて、トリップ装置のスイッチが入ってるのに気がついたから、通信機能を使って話してんだ!』
「「「「「「「「って、トリップ装置ィィィィィィ????????????????」」」」」」」」
『そうだ!あの、アニメや漫画の世界に入れるとかいうやつだ!お前らが何の世界に入ったかは知らねーが、とりあえず元の世界に戻れる方法がないか、調べてみるから、待ってろ!』
「あ、ちょ、じーさん!」
そんな旦那の叫びも虚しく、じーさんとの通信は途切れた。
「トリップ装置、か」土方さんが言った。「面倒なことになっちまったな」
「しかも、何の世界に入り込んだかもわからないなんて…」と私。「これからどーすんの!」
「ほんじゃま、散策してみっか」と、旦那が言って、立ち上がる。「ねずみ出そうな気味の悪い路地裏で、いつまででも過ごせる男じゃないぜ、銀さんは」
と呑気に言って、歩き出す。
こういう時、一番役に立つのは、旦那なんだよね。
私も、急いで後を追った。
路地裏を出ると、人混みがすごく、ここは町の中央部らしい、ということがわかってきた。
しかし、かぶき町と違うのは、ターミナルのようなビルがあちらこちらに建っていることだった。
人混みをやっとのことで出ると、そこには駅があった。
しかし、肝心の旦那がいない。後から来た面々も、「あれ?」「銀ちゃんどこいったアル?」「チッ、あいつ勝手な真似しやがって…」と感想を口にしていた。
「ごめんお前ら、お待たせー!」
と、戻ってきた旦那が手に持っていたのは、チョコレートパフェ。
「旦那、何呑気に買い物してるんでさぁ。」
「いやあのさ?このパフェが、世界のデザートコンテストで金賞を取ったとか書いてあったからさ?買っちゃった〜♪」
「買っちゃった〜♪じゃねェェェェェェェェェェェェェェェ!」
私は叫び、銀さんをぶっ飛ばす。
「恋奈、ナイスショットアル!」
「ありがと〜」
と神楽ちゃんと二人でハイタッチをする。他のメンバーは「はぁ…」的な目で私たちを見つめているけど、そんなのは気にしない。
神楽ちゃんと二人でキャッキャと盛り上がっていると、不意に総悟が近くに来た。
「おい、クソサド」神楽ちゃんがドスの効いた声で言う。「私の恋奈に触ったら許さないアルヨ!」
「は?」と総悟は軽く言う。「恋奈は誰のものでもないでさぁ。それと、変な気持ちで近づいたわけじゃないでさぁ。話があったんでぃ。」
そう言って、私の方を見ると、「てことで恋奈、ちょっとこっちに」と手招きする。
「変なことしたら私が許さないヨロシ!覚悟しておくことネ!」と大声で言いまくる神楽ちゃんをなだめてから、私は総悟の方へと歩いていった。
総悟の近くにはすでにザキ、近藤さん、土方さんが集まっていた。
「んで?何、話って?」
と私が聞くと、総悟は話し出した。
「俺たちが来ているこの世界、どこか分かったような気がしまさぁ。」
思いがけない総悟の言葉に、私たちはつい身を乗り出した。
「そ、総悟、ここはどこなんだ?」
「名探偵コナンの世界でさぁ。」
め…名探偵コナン?
「トリップ装置は、漫画とかアニメのグッズとかを入れると作動するシステムだった。あの宴会の時、唯一近くにあった漫画やアニメのグッズは?」
私は息を吐き出すように答えた。「総悟が読んでた名探偵コナン…!」
総悟が頷く。「そうでさぁ。それが何らかの原因で、トリップ装置に入っちゃったんでさぁ。」
「だが」土方さんが口を開く。「まだ、それと決まったわけじゃねえだろ?」
総悟が首を横に振る。「いいや、今、それを見つけました。」
と言って総悟が指差したのは、でかでかと書かれた駅名。
そこには「米花駅」の文字があった。

コナンside
「蘭ねーちゃん!ボクちょっと出かけてくる!」
「気をつけて行くのよー!」
「はーい!」
と蘭に挨拶をしてから、スケボーに乗って走り出す。
そして灰原に電話をかける。
プルルルル…
「もしもし、灰原?」
『まーた僕たちに内緒で抜け駆けしようとしてたんですか?』『コナンくん、ヒドーイ!』『そういうのはやめようぜ、コナン!』
やっと電話に灰原が出たかと思ったら、光彦たちの声が聞こえてきてびっくりする。
『はい、変わったわよ、江戸川くん』
「よかった、で、分かったか?」
『ええ、バッチリ。ただ、この子たちが行きたい行きたいってうるさいもんだから、米花駅で待ち合わせした時に資料を見せてもいい?』
「チッ、たくよー。分かった。じゃ、後で。」
と言って電話を切る。めんどくさいことになったな、と思いながら、コナンはスケボーを走らせ続けた。 
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