| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十八話 祭りの前その十三

「北海道でもね」
「そうなんだ」
「そうなの、お祭りの時は出店が一杯出て」
「東北でも一緒なんだね」
「日本だからね。神社もあるし」
「ああ、あるんだ」
「あるわよ、ただ夏は短いわよ」 
 このことも言うのだった。
「寒いから」
「それでなんだ」
「夏祭りの時も短いけれど」
「それでもなんだね」
「東北にも大きな神社は多いのよ」
 近畿とだ、そこは変わらないというのだ。
「ちゃんとね」
「じゃあその神社に行けば」
「お祭りもしててね」
「そこで冷やしあめとか飲んでたの」
「それがまた美味しかったわ」
 ホットティーを飲みながらだった、詩織さんは冷やしあめの話をした。
「友達で好きじゃない娘がいたけれど」
「癖があるからね、冷やしあめって」
「如何にも身体に悪そう?」
「そんな感じがするって言ってね」
「けれどそれがどうしたよ」
 居直ったみたいにだ、詩織さんは言った。
「あの強烈な甘さがいいのよ」
「夏祭りで飲むと特にね」
「そう、だからね」
「周りが何を言ってもなんだ」
「夏祭りの時は冷しあめとかメロンソーダよ」 
 あの合成着色料をふんだんに使っただ。
「サイダーとかラムネとか」
「そういうのを飲む場所だね」
「だから紅茶はね」
 今飲んでいるそれは、というのだ。
「ここでは飲むけれどね」
「それでもだよね」
「お祭りの時は飲まないわ」
「そうしたのを飲んで喉を癒す」
「コーラもあるけれどね」
 お祭りの時に飲むものは、というのだ。
「そっちもね」
「ああ、コーラもいいね」
「とにかく身体にいいか悪いかじゃなくて」
「雰囲気を楽しむものだね」
「お祭りの時は。だから」
 飲むものもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧