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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十八話 祭りの前その十二

「けれどね」
「今はなんだ」
「こっちのお茶を飲みたくて」
「そうした気分だから」
「飲んでるの」
 実際にというのだ。
「そうしてるの」
「そうなんだね」
「そう、それでこれがね」 
 暑い時に飲むホットティーはというのだ。
「案外いいわよ」
「暑い時に熱いものを飲む」
「そのことが」
「そうなんだ、じゃあ僕もね」
 こう答えてだった、僕もその紅茶を飲んだ。すると。
 確かに美味しくてだ、こう詩織さんに答えた。
「いいね」
「美味しいでしょ」
「普通の熱い紅茶だけれど」
「その紅茶がね」
「普通に美味しいね」
「うん、かなりね」
 実際にとだ、僕は詩織さんに答えた。
「飲みやすいし」
「お砂糖を入れない分ね」
「普通の紅茶だけれどね」
「普通の紅茶だからこそね」
「かえって美味しいんだね」
「暑い中だとね」
「そうなの、たまたま気が向いて飲んだけれど」
 それでもというのだ。
「いい感じよ」
「アイスティーとはまた違った感じで」
「熱い方もいいわね」
「うん、もう一杯貰おうかな」
 こう言ってだ、実際にだった。 
 僕はホットティーをもう一杯飲んだ、その僕に。
 詩織さんもそのホットティーを飲みながらだった、くすりと笑ってこんなことを言って来た。
「お祭りの時に飲むものっていったら?」
「冷やしあめかな」
 僕は反射的にこれを出した。
「やっぱり」
「それ言う人多いわね」
「だって出店にあるから」
「それでよね」
「うん、よく飲むよ」 
 そうしたお祭りの時はとだ、僕は答えた。
「だから出したけれど」
「私もよく飲むわ」
 詩織さんも微笑んで僕に答えた。
「お祭りの時はね」
「冷やしあめよね」
「あとメロンとかサイダーとか」
「ああ、サイダーもよね」
「炭酸飲料も飲むよね」
「お祭りの時はね」
「よく冷やしたね」
「それをお好み焼きとかたこ焼きとかの後にね」
 詩織さんは微笑んだまま述べた。
「飲むのよね」
「サイダーも」
「あとラムネもね」 
 詩織さんはこちらも話に出した。
「それもよね」
「そうそう、ラムネも飲むね」
「夏祭りだとね」
「夏祭りは飲むものもね」
「何か決まってるのよね」
「そのサイダーとか冷やしあめとか」
「そういうのを飲むわね」
 詩織さんも笑って話す。
 そしてだ、こうしたことも言った。 
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