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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十八話 祭りの前その八

「イタリア軍にはそこまでしてたかな」
「まあな」
「攻めていって返り討ちが常でな」
「毒ガスは使ったけれど大して悪いこともしていないし」
「ちょっと脅したら泣いて命乞いだからな」
「それじゃあな」
「幾らケンシロウでもか」
 皆もそれぞれ言う。
「殺さないか」
「そこまでしないか」
「幾ら何でも」
「そう思うよ、まあとにかくイタリアだね」
 僕はまたこちらに話を戻した。
「イタリアっていいんだね」
「最高だぜ」
 彼はまた僕に笑顔で言って来た。
「軍服だってな」
「夏用もだね」
「わかってるんだよ、サファリみたいな服でいいぜ」
「探検隊みたいな」
「ああ、そのままだからな」
「それじゃあそうした服も探そうかな」
 僕はまた言った、そしてだった。
 そうした話を皆と一緒にしながら商店街の中を見て回った、そしてその中の和菓子屋さんの前に来るとだった。
 お餅が普段よりも安く売っていてだ、仲間の一人がこんなことを言った。
「お祭りだからか」
「ああ、祝いだからな」
「お餅安いんだな」
「そうなんだな」
「そうだよ」
 お店のお婆さんもだ、僕達に笑顔で言って来た。
「うちはいつもお祭りの時はそうだろ」
「だよな、そういえば」
「このお店いつもお祭りとかお正月とかな」
「そうした時はな」
「お餅安いよな」
「そうしてるよな」
「お祝いの時はお餅だよ」
 何といってもという口調での言葉だった。
「それでいつも安いんだよ」
「それでか」
「それでいつも安く売っててか」
「そうだよ、どうだい?」 
 お婆さんはあらためて僕達に言って来た。
「買うかい?」
「よし、じゃあな」
「お餅頂戴」
「俺二個」
「俺三個」
 こうしてだった、僕達は。
 それぞれお餅を買ってだ、それを歩きながら食べた。そうしたものを食べつつだった、僕は皆に今度はこう言った。
「皆お祭りに行くよね」
「当たり前だろ、そんなの」
「言うまでもないだろ」
「行くに決まってるだろ」
 これが皆の返事だった。
「それはな」
「もう決まってるだろ」
「彼女いなくてもな」
「お祭りには行くぜ」
 言うまでもないといった返事だった。
「それでビール飲んで焼きそば食って」
「お好み焼き食ってな」
「あとたこ焼きもな」
「りんご飴とかたこ焼きも忘れないでな」
「それとフランクフルト」
「ソーセージもいいぜ」
 それこそと話すのだった、それでだった。  
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