八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第五十八話 祭りの前その六
「あの戦争でもその前の戦争でも」
「負けて負けて負けまくってもか」
「最後は勝った方にいる」
「それがイタリアか」
「だから戦勝国なのか」
「あの国は確かに戦争は弱いさ」
とにかくこのことは強調される、マニアからも。
「けれど外交はいいんだよ」
「だからか」
「負けまくっても戦勝国」
「最後は勝っている」
「それがイタリアか」
「ミズーリ号のでの降伏文書調印式でもいたぜ」
日本が降伏したその式でもというのだ。
「イタリアからの代表がな、連合国側に」
「っていうかいたのかよ」
「味方だったr、イタリア」
「仲間の降伏の時に敵の方にいたのか」
「何だよそれ」
「それがイタリアかよ」
「そうだよ、それがな」
まさにというのだ。
「イタリアなんだよ」
「戦争に負けても最後は勝ってる」
「敗戦は外交でカバーする」
「それがイタリアか」
「そういう国なんだな」
「それに軍服だっていいんだよ」
ここでその軍服の話にもなった。
「デザインが格好いいんだよ」
「まあイタリアだからな」
「ファッションの国だしな」
「軍服はいいか」
「ファッションは」
「着方だらしないけれどな」
こうした注釈も付くが、だった。
「ファッションもいいからな」
「だからか」
「御前イタリア軍好きなのか」
「イタリア軍マニアか」
「そうなんだな」
「日本もイタリアみたいにならないとな」
彼はこうも言った。
「駄目だな」
「イタリアねえ」
「ああ、イタリアだよ」
勿論僕にも言って来た。
「オリーブ食って大蒜食ってパスタ食ってトマト食ってチーズ食ってな」
「何か油っこいね」
「オリーブとチーズだからいいんだよ」
この二つだからというのだ。
「日本もイタリアになれば最高だぜ」
「じゃあ戦争負けるだろ」
「勝率今の巨人みたいになるぞ」
もう五年連続最下位だ、それも勝率一割台でだ。自称球界の盟主とやらは最早その敗北を見せるだけの愉快な存在になっている、いいことだ。
「幾ら最後は勝っていてもな」
「それまでどれだけ負けるんだよ」
「自衛隊あれでも強いんだぞ」
「軍隊じゃないけれどいい軍隊だぞ」
何か矛盾する言葉も出ていた。
「自衛隊は」913
「礼儀正しいし強いぞ」
「イタリア軍とはまた違うからな」
流石に皆自衛隊とそのイタリア軍を同じみたいにされると妙に嫌だった、僕も何か妙に嫌なものを感じずにいられなかった。
「あんな弱くないからな」
「戦前の日本軍なんか特にな」
「気合が違うだろ」
「それこそ」
「まあそうだけれどな」
そのイタリア軍好きな彼も言う。
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