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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十七話 流し素麺その十

「凄いわね」
「日本らしいっていえばらしイ?」
「そうあるな」
「そうよね、服の着方一つでも」
「そんな独特の技術が必要っテ」
「日本は奥深い国ある」
「実際慣れないと難しいね」
 僕もこう言った。
「剣道着とかにしても」
「剣道着なぞ普通に着られるが」
 井上さんも話に戻って来た、それまではお素麺と梅酒を楽しむことに専念していたけれどお話にそうしてきたのだ。
「考えてみればだ」
「剣道着もですよね」
「そうだな、独特だな」
「着方がありますよね」
「日本古来の服は独特だ」
 井上さんも認めた、このことを。
「下手に着てははしたなくなる」
「剣道着もですよね」
「しっかりと着れば凛々しいが」
 しかしというのだ。
「慣れないとだ」
「とんでもなくはしたなく」
「なってしまう」
「そうですよね」
 僕はこう応えて頷いた。
「そこが難しいですよね」
「着物はな、剣道着もだ」
「そういえば先輩の剣道着は」
「いつもだな」
「奇麗に着ておられますね」
「そう着る様に心掛けている、だが」 
 こkどえだ、井上さんはこうも言った。
「そうなるまでには時間がかかった」
「奇麗に着られる様になるまでは」
「どうしてもだ」
「年季がかかるんですね」
「どうにもな」
「つまり着物は年季ネ」
「そういうことあるな」 
 ここでジューンさんと水蓮さんがまた言った。
「慣れるこト」
「着方を知ったらあるな」
「そうなります」
 小夜子さんがまた話してくれた。
「着物の着付けは慣れていないと本当に大変です」
「私着られるかどうカ」
「私もある」
「不安になるワ」
「まず無理ある」
 二人はこう言う、そして。
 井上さんもだ。腕を組んでこう言った。
「そういえば私も浴衣は久し振りだな」
「あっ、沙耶香もなノ」
「そうなのね」
「剣道着はよく着ているが」
 しかしというのだ。
「浴衣は去年着て以来だ」
「私ないヨ」
「私もある」
「一度も着たことないヨ」
「それ自体がないあるからな」
 アメリカにも中国にもというのだ、ただ浴衣が何処そこが起源とかある国からの留学生に言われた記憶がある。
「去年どころかネ」
「着るとしたらはじめてあるよ」
「それなら私も着付けをしよう」
「私も」
 井上さんと同じく剣道部所属の留美さんも加わって来た。 
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