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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十五話 吸血鬼の話その四

「シュロという木の皮で作った服を着ていてだ」
「木の皮で」
「鬼の様な顔をしていて大晦日等に首なし馬に乗って人間の世界を歩く」
「首のない馬なの」
 モンセラさんはこの馬のことも話に出して問うた。
「そに乗ってるの」
「そう言われている」
「何か本当に精霊みたいね」
「そう思っていい、とにかくだ」
「そのトシドンもなのね」
「なまはげと同じだ」
「やっぱり怖いのね」
「外見はかなりな」
 怖いとだ、井上さんも答えた。
「なまはげとこのことも同じだ」
「日本ってそういうのいるのね」
「地域によってはな」
「吸血鬼以外にも」
「日本の妖怪は多い」
「本当に色々いるわね」
「ものがそうなることも多いしな」 
 所謂付喪神のこともだ、井上さんはモンセラさんに話した。
「から傘等だな」
「あの昔の日本の傘に手と一本足と一つ目と口のある」
「それだ」
「あれ何もしてこないわよね」
「ただいるだけだ」
 から傘はというのだ。
「一反木綿や塗り壁も悪戯や通り道を阻んだりするがだ」
「襲ったりはしてこないのね」
「そうしたことはしない」
「吸血鬼と違って」
「ろくろ首も普通のものは驚かしてくるだけだ」
 首が伸びる方はだ、こちらのろくろ首は確かに人を襲うという話はない。首をいきなり伸ばしてきて驚かしてくるだけだ。
「それだけだ」
「何か平和ね」
「確かに磯女や鬼はいるがな」
「大抵の妖怪はなのね」
「驚かせるだけが精々だ」
「それ位なの」
「一番怖い妖怪は鬼だ」
 日本においてはというのだ。
「だから鬼という言葉も定着している」
「メキシコの悪魔と同じで」
「そうした感じで定着している」
「実際にそうなのね」
「そして鬼だが」
 井上さんはまた鬼の話をだ、モンセラさんにした。
「確かに人を襲って食うがそれだけではない」
「血を吸うだけでもなくて」
「色々な話があって面白い」
「色々なって?」
「人を助けたり親しんだりする話も多い」
 そうした話もというのだ。
「童話等にな」
「あるのね」
「何かとな。そうした話もある」
「怖がられていても嫌われてはいないのだ」
「親しまれているのは確かだ」
 僕達日本人にというのだ、鬼という存在は。
「別にだ」
「嫌われてなくて」
「随分と色々な作品に出ている」
「そういえば」
 ここで僕も思い出した、それは何かというと。 
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