八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第五十三話 抹茶のよさその二
「お茶はそうでした」
「そう思うと粗末に出来ないわね」
「はい、何でもそうですが」
「お茶もよね」
「粗末に出来ません」
絶対にというのだ。
「お茶を粗末にすることは」
「そうよね、これから私もね」
「紅茶をですね」
「もっと大事に読むわ」
「テレサさんは粗末にされていないと思いますが」
「これまで以上によ」
今までよりもというのだ。
「お茶を大事にしてね」
「大切に飲まれますか」
「そう思ったわ」
「それはいいことです、お茶はです」
「一杯一杯を大事にね」
「飲むものです」
「そうよね、日本だと食堂で普通に飲めるけれど」
自分で入れるお茶入れ機でだ。
「粗末に出来ないわね」
「そうです、そもそもお水もです」
「粗末にしたら駄目なのね」
「命なので」
「お水は」
「人はお水がないと生きていられません」
絶対にというのだ、このことは。
「あらゆる動植物もそうですね」
「ええ、誰だってお水がないと駄目よね」
「ですから」
「お水自体を粗末にしたらいけない」
「そうです」
「ううん、一杯一杯を本当に大事に飲まないと」
そのお水も使うお茶をだ。
「駄目なのね」
「私はそう思っています」
「そうなのね」
「お茶が飲める有り難さがです」
それこそというのだ。
「大事です」
「お茶を飲むうえで」
「そうです、それと」
「それと?」
「甘いものも」
今度はこちらの話だった。
「どうぞ」
「栗羊羹まだあるんだ」
「はい、どうでしょうか」
「うん、まだ時間があるし」
午後の部活までだ、僕は茶室の壁の時計を見て時間を確かめてから答えた。まだ少しだけれど時間はあった。
「それじゃあね」
「わかりました、それでは」
「お茶を飲んで」
「羊羹も食べて」
「そしてだね」
「はい、午後ですね」
「午後はね」
僕は小夜子さん達に午後の予定も話した。
「また部活なんだ」
「ではお茶は丁渡いいですね」
「目が覚めるから」
「よりよく動けます」
「目が覚めて身体も覚醒して」
「気もしっかりしますので」
だからだとだ、僕に話してくれた。
「それでは」
「もう一杯ね」
「どうぞ」
「いや、二杯目も楽しみよ」
テレサさんも笑顔で言って来た。
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