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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十二話 暑い夏だからその二

「だから小夜子が飲むお茶もね」
「いいのね」
「そう、私はそう思うわ」
 実際にというのだ。
「もっとも私正座は出来ないけれど」
「そうなのですか」
「すぐに足が痺れるのよ」
 テレサさんは顔を曇らせて小夜子さんに言った。
「だから駄目なのよ」
「慣れますが」
「足が?」
「はい、続けていますと」
「それまでが大変じゃない」
 顔を曇らせてだ、テレサさんは小夜子さんに言葉を返した。
「慣れるまでが」
「だからですか」
「私はいいわ」
「では正座がなければ」
「あっ、それなら乗るわ」
 ここで瞬時にだった、テレサさんは顔を明るくさせて小夜子さんに言葉を返した。
「正座をしないのならね」
「それならですか」
「ええ、それなら最高よ」
 正座をしない茶道、それならというのだ。
「お茶もお菓子もあるわよね」
「はい、お茶と一緒にお菓子も出すのがです」
「茶道よね」
「お菓子は欠かせません」 
 茶道、それにはというのだ。
「それが楽しみではじめられる方もいます」
「和菓子出るのよね、和菓子はね」
「どうでしょうか」
「私も大好きよ」
 笑顔でだ、テレサさんは小夜子さんに答えた。
「和菓子は」
「でしたら」
「正座しなくていいのよね」
「身体に無理をさせないのが茶道です」
「よく剣道で話をしてる時に自分は立って生徒は正座させている先生がいるっていうけれど」
「それはおかしな先生です」
 小夜子さんもそうした先生は言葉で一蹴した。
「参考にしてはいけません」
「無理はしないことなのね」
「正座は本当に慣れていないと足が痺れてしまいます」
 小夜子さんもそのことはよくわかっていた、伊達に茶道はしていないということか。
「それで辛くなりお話があっても聞けるかどうか」
「私だったらお話聞くどころじゃないわ」
「しかもご自身は立っておられるのですね」
「何か体育館の使用説明で一時間程そうさせてたらしいわね」
「その説明はその方々の耳には入っていません」
 正座をさせられた剣道部の人達にはというのだ。
「それでは何の意味もありません」
「つまりそうさせた先生が馬鹿」
「そうとしか言えないです」
 どうして学校の先生はそうした人が多いのだろうか、いじめを完全スルーした岩手の先生も実におかしいと思う。学校の先生というのは最初から重度の精神異常かどうにもならないレベルの人格障害の人を選んでいるのだろうか。
「私から見ても」
「そうよね、とにかくそうしたことは」
「意味がありません」
「だから茶道もなのね」
「はい、無理をしてはなりません」
 絶対にというのだ。
「そうしたものではないので」
「じゃあ今日にでも」
 早速という感じでだ、テレサさんは小夜子さんに言った。
「行っていい?そっち」
「茶道部に」
「ええ、そうしていい?」
「はい」
 小夜子さんはテレサさんににこやかに笑って答えた、そして。 
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