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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十一話 親父の女達その六

「あれよね」
「あれって?」
「いや、うちのお父さんやっぱりいいわ」
「暴力振るうってそれだけでマイナスだからね」
「それも相当にね」
「学校の先生で多いよね」
 本当に多い、異常な位。
「暴力振るう人」
「そうそう、いるのよね」
「それも学校の先生の暴力ってね」
「無茶苦茶なのよね」
「酷くてね」
「それが問題にならないのよね」
「学校の方で隠すからね」
 何でもそうした体質の社会らしい、よく先生の暴力が表沙汰になっていつも言われるけれどそれはほんの氷山の一角らしい。
「どうしても」
「そうなのよね」
「うちの学校はすぐに問題になってね」
「そうした先生は追い出されるのね」
「確かに問題のある先生はいるよ」
 社会科の中川先生みたいにだ、とにかくどうにもならない人だ。
「けれどその人でも暴力は振るわないから」
「問題があってもなのね」
「最低の先生に近くてもね」
 その中川先生のことだ。
「最低じゃないよ」
「暴力を振るえば最低になるわね」
「そこでね、けれどね」
「最低じゃない」
「そうよ」
 まさにとだ、美沙さんも答えてくれた。美沙さんも既におかわりのざるそばを頼んでいて丁渡今来たそれを食べだしつつ話した。
「というかそれ中川先生よね」
「あっ、わかったんだ」
「わかるわよ、うちのクラスも世界史永川先生だから」
「そういえばそうだったね」
「評判悪いわよ」
 表情から笑みが消えて眉を曇らせての言葉だった。
「実際」
「どのクラスでも一緒なんだね」
「だってあの人教科書のページを進めることしか考えてないじゃない」
「それで作るテストは変に難しくて」
「何あれ、っていう位難しくしてるでしょ」
「授業の内容も酷いからね」 
 本当に教科書のページを進めることしか頭にない人だ、しかも何か自分の授業に酔っている感じすらする。
 そんな人だからだ、僕達生徒の間ではだ。
「中学の時も授業下手な先生に遭ったけれど」
「社会で?」
「数学で。もう教科書をざっと棒読みだけして黒板に書いてる感じで」
 何か別の種類の酷い授業だたt。
「それで授業がわからないって評判だったの、お寿司屋さんの息子さんで」
「お寿司屋さん継いだ方がよかったんじゃ」
「次男さんだけれどそう言われていたわ、皆先生に直接言ってたわ」
「つまり教師辞めろってことだね」
「授業が下手だからね、けれどね」
 そのこれ以上はないまでの駄目出しを受けてもだったというのだ、その先生は。
「笑ってその話他の先生や保護者の人にお話してたらしいわ」
「褒め言葉に思ってたんだ」
「というか全然気付いてなかったのよ」
 辞めろと言われていることにだ。
「自分が人気あると思ってたみたい」
「無神経だったんだね」
「私達の二年上の先輩に御前の授業わからないって言われたらしいけれど」 
 それでもだというのだ。
「全然授業上手になってなかったみたいで」
「向上心もなかったんだね」
「そうみたいよ、とにかくその先生も酷い授業だったわ」
「先生に向いてない先生いるよね」
「それも自分では気付かないのよ」
 それも全くだ。 
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