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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第五十一話 親父の女達その七

「これがね」
「中川先生もそうだよね」
「ええ、あの先生もね」
 それこそだ。
「もうどうしようもなくて」
「その先生もなんだ」
「西田先生っていうけれどまだ中学にいるから」
「後輩の人達が可哀想だね」
「本当にそう思うわ。担任の先生としてはどうか知らないけれど」
 それでもという言葉だった。
「正直あの先生から授業受けろ後輩の子達可哀想よ」
「北海道にもそんな先生いるんだね」
「何処でもいるじゃない、先生なんて社会的駄目人間の集まりなんだから」
 美沙さんは先生には厳しかった。
「実際にね」
「確かに問題のある人ばかりだね」
「だからね」
 おかわりのお蕎麦を食べながらの言葉だ。
「そうした先生も何処にもいるわよ」
「そういうものなんだね」
「うん、それとね」
「それと?」
「ここのお蕎麦美味しいから」
 今度はお蕎麦の話だった。
「幾らでも食べられそうよ」
「うん、ここのお蕎麦は本当に美味しいよ」
「だからこれなら何杯でも食べられるわ」
「おかわりもしたし」
「もっとね、これはいいわ」
「そういえば美沙さんお蕎麦好きだって言ってたし」
「ラーメンもだけれどね」
「ラーメンもこんな感じで食べるのかな」
「ええ、食べてるわ」
 実際にそちらもとだ、僕に答えてくれた。
「札幌ラーメンね」
「そこでも札幌ラーメンなんだ」
「バターとコーンの入った」
「そのラーメンなんだ」
「まあこっちのラーメンも美味しいけれど」
 関西のこちらもというのだ。
「やっぱり札幌が一番よ」
「ラーメンは」
「もう他はないわ」
「そこまで言うんだ」
「実際にそう思うから。それとそういえばだけれど」
「そういえばって?」
「今夏だけれど」
 今度は季節の話だった、僕は話が飛んだと思った。けれどそれは違っていた。美沙さんはすぐにこんなことも言って来た。
「お蕎麦美味しいわね」
「ああ、夏のお蕎麦はまずいっていうわね」
「犬も何とかっていう位にね」
「お蕎麦は秋に収穫だからね」
「それで夏は一番美味しくないっていうじゃない」
「最近そうでもないんだよね」
 僕もこう美沙さんに返した。
「実際のところ」
「そうみたいね、そういえば札幌でもね」
「季節でも味変わらないよね、お蕎麦の」
「ええ、一緒よ」
 何時の季節でもというのだ。
「夏そばはっていうけれど」
「それ僕達は思わない言葉だよね」
「というか変に五月蝿いグルメ漫画だけ?」
「ああ、あの新聞記者が主人公で」
「陶芸家の親父共々お店で怒鳴り散らすね」
「営業妨害ばかりしてる漫画だね」
「あの面白くない漫画でだけ言ってることね」
 こう僕に言って来た。
「そういえば」
「あの漫画おかしいからね」
「言ってることがいつも相当ね」
「僕あの漫画嫌いなんだよね」
「私もよ。それこそね」
「大嫌いなんだ」
「もう読んでないから」
 嫌いだからだというのだ。 
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