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7thDragoN 2020 ~AnotheR StoryS~

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CapteR:0 目醒めの刻
序章:b
  -ムラクモ研究機関-2020-April-3-13:35-

研究所内はアラートの音がけたたましく鳴り響いてるが、すでに鳴り始めてから10分を軽く超えている為、誰も気に留めることは無い。今はただ起きている状況を確認する為、東奔西走している所員の足音や怒号が廊下に反響している。
「――所員の皆様、ムラクモ会議を招集いたします。地下10F、ムラクモ本部へお集まりください。繰り返します―――」
廊下に備え付けられたスピーカーから所員に向けて、会議招集が掛かる。
ここはムラクモ機関と呼ばれる政府機関である。俗っぽく言ってしまえば、「地下深くに存在する謎の政府機関」といったような都市伝説で有名な組織である。組織の方針としては「来るべき日の為にS級の異能者を集め、対抗する。」である。と言ってもここでは、異能者を育てる訳ではなく、スカウトするという方式を採用している。
「桐野さん、さぁ、行きましょう。」
「そう、ですね。帝竜反応はありましたか?震源は新宿方面とのことでしたが。」
彼は桐野礼文。このムラクモ機関では総長補佐の肩書を持つ。
「帝竜は、憶測ではありますが、一応は。識別名称『ウォークライ』と呼ばれる強力な個体です。古代文献では一夜にして国を滅ぼした、という記述があります。」
「ありがとう。一発目から最強クラスの帝竜、ですか。」
彼らは足早に地下深くへ伸びる階段を下りてお。

「さて、本日集まってもらったのは他でも無いわ。来るべき日が来てしまったという事よ。」
壇上に立つのは、日暈棗総長である。このムラクモ機関の創設者であり、トップ。またドラゴン研究の第一人者である。
「キリノ、状況を確認して頂戴。」
「はい。本日13:30頃、新宿上空にドラゴンの群れが突如、襲来しました。観測班の報告によると、数は100匹を超えると言われています。また、これと連動して新宿周辺では地震が発生しております。」
前方に設置されているスクリーンに画像が映し出される。そこには紅い巨大な竜の画像と石板の画像が映し出される。
「この画像が新宿都庁に飛来したとされる帝竜、識別名称『ウォークライ』」です。巨大な体躯が身体的な特徴と言えるでしょう。」
ナツメの脇に控えていたキリノが説明し終わると同時に、集まった所員が一斉にざわめき始めた。
「静粛に!所員のみながざわめくのもよく分かるわ。これは帝竜類の中でも、極めて強い部類に属しているわ。」
ナツメの一括とともに、会議室は水を打ったように静まり返る。ナツメは一度目を伏せ、見開き、会議室を見渡す。
「我々は何の為にここにいるのか?」
ナツメから質問が投げかけられる。一寸の間、沈黙が会議室を支配する。
「・・・竜を倒すためだっ!!」
会議室の奥の方から答が返ってくる。ナツメは頷き、口を開く。
「そう、黴臭い文献を舐めるように読み、表の世界では``金食い虫と``呼ばれ、爪弾きにされてきたのはこの日の為なのよ。」
雄叫びとも勝鬨とも取れるような声が会議室を埋め尽くす。
「さぁ、ムラクモ会議を始めるわよ。」
マイクを下したナツメは笑っていた。
 
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