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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四十七話 神様と仏様その六

「ですがそれでも楽天は負けません」
「ソフトバンクは優勝します」
「田中さんいなくてもやれるんです」
「我がチームの打線はいつも通りです」
「ですがそれでも」 
 手の仕草も交えて二人に話した。
「今は食事中だからね」
「わかりました、それなら」
「今は」
「うん、まあ今年も最下位は決まってるね」
 セ・リーグパ・リーグ共にだ、その最下位のチームはというと。
「巨人とオリックスだね」
「巨人勝率一割よね」
 ニキータさんは巨人と聞いてすぐにこう言った。
「一割七分よね、勝率」
「一割六分だよ」
 僕はニキータさんにこう訂正して返した。
「昨日も負けたから」
「あっ、もっと低くなったの」
「そうなんだ」
「弱いね、巨人」
「昔は強かったんだよ」
 本当に昔のことだ、絶対に戻りはしない過去だ。
「それこそね」
「それが今ではなのね」
「弱くなったんだ」
 それこそだ。
「もう親会社にもお金ないしね」
「確か新聞社よね」
「その新聞の発行部数が落ちてね、他にも色々あって」
 それでだ、巨人は親会社のグループ自体が大赤字になってだ。球団はそれこそ赤貧状態になってなのだ。
「補強出来なくなって本拠地も売るしかなくなって」
「それで弱くなったの」
「色々な設備もスタッフもね」 
 まさに何もなくなってだ。
「弱くなったんだ」
「そうなのね」
「もう今やあの状況なんだ」
 それこそだ。
「勝率一割台にまで落ちたんだ」
「昔は強かったって言ったけれど」
「親会社がお金あった頃はね」
 そのお金で選手をかき集めてマスコミの権力をフル活用していた、その権力もなくなった。
「何でも出来たけれど」
「お金がなくなったら」
「あそこまで落ちたんだ」
「お金に頼り過ぎたのね」
「うん、だからお金がなくなったらね」
 肝心のそれがだ。
「ああなったんだ」
「お金に頼ったら駄目ね」
「全くだよ、しかし昨日の巨人は」
 その負け方もだ。
「十点差だったからね」
「惨敗ね」
「うん、昨日もね」
 まさに昨日もだ。
「十試合連続でね、打率も守備もね」
 そのどれもがだ。
「酷いからね」
「チーム打率どれ位なの?」
「二割一分だよ、ちなみにエラーはもう百いったよ」 
 まだ八月になっていないのにだ。
「だから負けるんだ」
「本当に弱いのね」
「そうだね、けれど巨人が弱くてもね」
 それでもだ、日本国民にとっては。
「構わないよ」
「皆巨人が嫌いだから?」
「そうなんだ」
 まさにそれが理由だ、僕にしてもそうだ。 
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