八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十七話 神様と仏様その五
「いつも」
「そのことを気をつけると」
「はい、幸せもです」
「手にですね」
「入ります、そして運命もです」
「いいものになりますね」
「そうなりますから」
だからというのだ。
「穏やかに、そして」
「自分をいつも少し抑えて」
「お願いします」
こう話してくれた。
「美和様も」
「そうですね、じゃあ僕も」
畑中さんの言葉に頷いた、そして。
僕は翌朝起きてだ、新聞のスポーツ欄を見てからだ。朝食の時にニキータさんと円香さんにこう言った。
「勝ったよ、どっちも」
「阪神も野球部も」
「どちらもですわね」
「うん、そうだよ」
二人に笑って話した。
「よかったよ、本当に」
「昨日の相手は横浜でしたわね」
「そうだよ」
横浜DENAベイスターズだ、今年はこのチームが強い。
「あのチームに勝ったんだよ」
「今横浜は二位ですから」
「引き離したね」
「これで五ゲーム差ですわね」
「そうだよ」
「大きいですわね」
円香さんは僕の言葉に微笑んでこう言った。
「ほっとしましたわ」
「あの、楽天は」
千歳さんは僕にこのチームのことを尋ねてきた。朝食のトーストにバターを塗りながら。今日の朝食はそのトーストにベーコンエッグ、それとヨーグルトをかけたフルーツの盛り合わせだ。
「どうだったでしょうか」
「うん、楽天も勝ったよ」
「それな何よりですね」
「ただ、パリーグはね」
ここでだ、僕は千歳さんに楽天が所属するパリーグの状況を話した。
「ソフトバンクが強いね」
「それは何よりですね」
すぐにだ、長崎生まれの裕子さんが言って来た。
「このまま優勝といきたいですね」
「いえ、今年はです」
千歳さんはその裕子さんに強い声で言い返した。二人の間の席に僕がいる。
「楽天が優勝しますから」
「それは出来ません」
裕子さんも裕子さんで言い返す。
「今年のソフトバンクは強いので」
「楽天の投手陣は抑えます」
「ソフトバンク打線は今シーズン最強です」
「打線は水ものでは」
「一人が打てば他の人が続きます」
そうした打線もある、一人が火を点ければ他の人が乗ってくれる、思えば打つ打線は何処もそんな感じで打つ。
「ですから」
「楽天のピッチャーをですか」
「打ちます」
絶対にというのだ。
「必ず」
「楽天だって負けていませんから」
何か必死のやり取りだった、どうも皆野球になると必死になる。けれど僕はその二人にこう言った。
「まあ落ち着いてね」
「それはそうですが」
「つい」
千歳さんと裕子さんは僕の言葉に落ち着いてくれた、けれど。
それでもだ、二人共こうも言った。
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