八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十七話 神様と仏様その七
「だから巨人が負けてもね」
「いいのね」
「皆ね」
少なくとも関西の人は殆どそうだ。
「清々しいよ、巨人が弱いと」
「そこまで嫌いなのね」
「そうだね、最近どんどん人気がなくなってるね」
阪神もそうだけれど広島も人気が出て来た、それでだ。
巨人は人気がなくなっていた、僕はこのことにも気持ちよさを感じながらだった。ニキータさんにあらためて話した。
「昨日はいい日だったよ」
「阪神も八条学園も勝って」
「本当によかったよ」
心からこう思った。
「いや、本当にね」
「そうね、じゃあ今日もどっちもね」
「勝つことをお願いして」
そしてだった。
「また部活ね」
「そうだね、ところでニキータさん女子サッカー部だけれど」
「それがどうしたの?」
「あそこどうかな。顧問の先生とかは」
「いい人よ。部員もね」
「皆なんだ、部員も」
「いい娘達よ、ただ」
ここでだ、ニキータさんは僕にこんなことも話した。
「日本はそうなの?先輩後輩が厳しいけれど」
「あっ、部活の」
「うん、随分と厳しいね」
その先輩後輩の関係がというのだ。
「あれはうちの女子サッカー部だけなの?」
「ああ、それはね」
僕はニキータさんのその話を聞いてだ、こう答えた。
「日本の特徴なんだ」
「そうなの」
「そう、先輩後輩の関係は五月蝿いよ」
「何か壁があるよね」
「壁なんだ」
「そう、目に見えない壁がね」
それがあるとだ、ニキータさんは僕に話した。
「あるね」
「そう言われるとあるね」
僕もわかった、バスケ部でも二年生と一年生の垣根はある。そしてそれははっきりとしたものだからだ。
「実際に」
「そうよね」
「うん、口調が違うし」
「一年生が何でもするって訳じゃないけれど」
「率先して何でもやるよね」
「自分達からね」
八条学園だと顧問の先生や先輩が何もしないで後輩に雑用を全てさせるということはあまりない、自分も動けというのが学校の教育方針だからだ。
「動くね、確かに」
「そうよね、けれどね」
「一年生はね」
「率先して動くね」
「一年生だからね」
そうした教育方針でもだ、それでもなのだ。
「やっぱり下だから、ただうちの学校はね」
「二年生も顧問の先生も」
「動くから」
しっかりと、というのだ。
「先生もね」
「先生は動かないの」
「そういう先生いるよ」
本当に生徒にあれこれしろと言って少し動きが悪いと殴ったりする先生がだ、日本では学校の先生は暴力を振るっても罪に問われないのだろうか。
「実際にね」
「それで文句言うだけなの」
「そうだよ、けれどうちの学校は先生こそ率先して、っていう考えだから」
「いい考えね、神父さんみたいね」
「教会の神父さんも自分からなんだ」
「そう、お掃除でも動くから」
率先してとだ、ニキータさんは話してくれた。
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