八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十七話 神様と仏様その四
「思った様にはいきません、計算し尽くしてしても」
「人と人の出会い、運命は」
「動かないのです」
「それを動かしてくれるのが神様ですね」
「偶然の出会いは実は偶然ではないのです」
畑中さんは言い切った。
「神様の手によるものです」
「偶然は偶然ではない」
「それを偶然としか思わないのなら」
「もうそれで終わりですね」
「そう思います、私は」
「そうですね、いや本当に」
僕はまた話した、そしてだった。
ここでだ、僕はだった。今のその人と人の出会いについてだ。八条荘でのことを思い出してそしてこうも言った。
「今のこのお引き寄せがどうなるか」
「それが、ですね」
「僕の運命ですね」
「そうなるかも知れません、そして運命は」
「変えられますね」
「美和様次第です」
その運命についてはというのだ。
「そのことは忘れないで下さい」
「そうさせてもらいます、そして」
「そしてですね」
「運命を変えられるのなら」
それならとだ、僕は強い声で畑中さんに話した。
「いい運命にします」
「そうでうs、運命はです」
「いいものにすべきですよね」
「神様は悪い運命は望まれていません」
「いい運命こそをですね」
「望まれています」
そうだというのだ。
「ですから」
「だから僕も」
「いい運命にされて下さい、そして一人のいい運命は」
それはともだ、畑中さんは僕に話してくれた。
「他の人の運命もです」
「いいものにしてくれますね」
「そうです」
「だから僕もですね」
「いい運命にされて下さい」
「わかりました、いい運命にしてみせます」
「必ず、そしてそのいい運命とは」
畑中さんはそのいい運命についてさらに話した。
「それはです」
「それはといいますと」
「他の方に迷惑をかけないものです」
「自分勝手なものではないですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「他の人にも配慮をしてです」
「そのうえでのことですね」
「はい、幸せは何かを、誰かを犠牲にするものではありません」
「自分勝手に手に入れるものではなくて」
「人を助けてです」
「自分もですね」
「そうしたものですから」
だからだというのだ。
「他の人をまず助けられ、気遣われ」
「そのうえで手に入れる」
「そういうものです」
「そうですね、じゃあ」
「自分だけになられないで下さい」
「そうします、皆が幸せになるべきですね」
「誰かを、何かを犠牲にするのではなく自分が抑えるのです」
犠牲ではなく、というのだ。
「自分がです」
「抑えるんですね」
「我儘をいつも少しだけです」
「抑えればいいんですね」
「角を立たせないことです」
畑中さんは僕に穏やかに話してくれた。
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