八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十七話 神様と仏様その三
「本当に」
「その通りだと思います」
「本当にそうですね」
「はい、人の力は大きいのか」
「小さいですね」
「その小さいものだけを頼むと」
それもというのだ。
「何も出来ません」
「人は本当に小さいですね」
「その人を大きいと思えば」
「そこから失敗もしますね」
「そう思っています、実際に」
「ですね、それに僕は何となくですが感じます」
「神仏をですね」
畑中さんは僕のその目を見て問うてきた。
「美和様も」
「実際に感じ取った訳ではないですが」
「それでもですか」
「科学で説明出来ない、何か運命の導きといいますか」
「お引き寄せですね」
畑中さんはまた天理教の言葉を出した。
「そうですね」
「そうですね、それになりますね」
「人と人の出会いはです」
「人の力ではどうにもなりませんね」
「普通に見れば偶然です」
人と人の出会い、それはというのだ。
「まさに」
「ですがその偶然がですね」
「はい、偶然ではないのです」
「神様の手によるものですよね」
「お引き寄せですね」
畑中さんはこうも言った。
「それこそが」
「はい、神様の」
「これも天理教の言葉ですが」
「人と人が会うことは大きいですが」
「その大きなものがですね」
「偶然ではなくです」
「神様の手によるものですね」
まさにそれだというのだ、畑中さんは。
「本当に」
「そうですよね、僕もそう思います」
「美和様もまた」
「はい、僕も偶然とはです」
人と人の出会い、それはだ。
「思えないです、今も」
「今の美和様の出会いも」
「あの親父のこともそうでしょうけれど」
どうしても親父のことを思い浮かべてしまう、どうも今はイタリアで遊びまくっているらしい。相変わらずだ。
「アパートの管理人になって」
「そしてですね」
「畑中さんとお会いして」
この凄く、何でも頼りになってくれて僕にいつも親身になってくれる人ともだ。正直物凄く頼りにしている。
「入居している皆とも会ったことも」
「偶然ではないですね」
「お引き寄せですね」
「まことにそうですね」
「運命でしょうか」
僕はこうも言った。
「やっぱり」
「はい、そして運命はです」
「変えられるものでもありますね」
「そうです」
畑中さんは僕のその言葉に頷いてくれた。
「運命は変えられるものです」
「そうですよね、その人次第で」
「それが他の人にも関わります」
「その調整は」
「それをしているのが神なのです」
「その人と人の出会い、つながりは」
「人がしてもです」
どうしてもとだ、畑中さんは僕に話してくれた。
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