八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十七話 神様と仏様その二
「そうしています」
「それは何よりですね」
「美和様もですね」
「出来ればですね」
「一年に一度位は帰られてますよね」
「はい」
そうだとだ、僕は畑中さんに答えた。
「奥華の詰所にも顔を出してます」
「それはいいことです」
「今年の夏は帰られるかどうかわかりませんが」
「時を見て帰られては」
「そうですね、大教会にも顔を出したりして」
「そうされるといいです」
こう僕に言ってくれた。
「時間がある時に」
「そうさせてもらいますね」
「是非共」
こうしたことをだ、畑中さんは僕に話してくれた。
そしてだ、畑中さんは僕にこんなことも話してくれた。
「それでなのですが」
「はい、さっきのお話ですね」
「ニキータさんの仰ることはです」
「そのことはですよね」
「私は賛成します」
「神様や仏様を信じていない人はですか」
「怖いものがあると思います」
こう僕に言った、畑中さんも。
「畏れるものがない人は」
「そこから驕るんですね」
「実際神も仏も否定すると一番尊いものは何でしょうか」
「人、ですか」
「そうなりますね」
「何か独裁者ですね」
僕は畑中さんの話を聞いてそうした人達を思いだした、特にあの国の独裁者を。
「北の将軍様とか」
「三代に渡ってですね」
「畑中さんは共産主義のことを念頭に置かれてますよね」
「私の若い頃は非常に強かったです」
その共産主義の勢力がというのだ。
「ソ連もありましたし」
「その共産主義の総本山が」
「はい、共産主義は今よりも遥かに強かったです」
「だからですね」
「私も共産主義を念頭にお話させて頂きましたが」
「それでもですよね」
「共産主義は世襲制ではありません」
畑中さんはこのことは断じてだとだ、言葉の中に含めてそのうえで僕に話した。
「間違っても」
「そうですよね」
「それで世襲とは」
「その時点で相当おかしいですよね」
「そうです、ですが神も仏も信じないならです」
「人は驕ってですね」
「ああなってしまう場合もあります」
共産主義だけれど共産主義でないあの国の将軍様の様にというのだ。
「最悪のサンプルでしょうが」
「確かに。例として極端ですね」
「漫画に出て来る様な国であり独裁者ですね」
「そう思います、僕も」
心からだ、そう思っている。
「あの国はもう漫画ですよね」
「特撮ものに出て来る様な」
「将軍様が神様みたいになっていて」
「ああなりかねません」
「神様や仏様を否定すると」
「時折自分の力だけを頼むという人もいますが」
やはり神仏を否定してだ、織田信長もそうだったと言う人もいるけれど実はあの人も神仏を否定はしていなかったという。
「しかし自分の力だけでも」
「人は小さいですよね」
「生かされている部分は多くあります」
「そしてその生かしているのはですね」
「神であり仏です」
「そうですよね」
僕はまた畑中さんの言葉に頷いた。
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