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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四十七話 神様と仏様その一

                 第四十七話  神様と仏様
 ニキータさんの日本の神様と仏様の関係についての疑問はとりあえずは解決した、だが僕はこのことからだ。
 少し考えることが出来てだ、ついついだ。
 アパートの書斎でだ、畑中さんに尋ねた。
「あの、実は今朝神社に行きまして」
「どちらの神社でしょうか」
「八条神社です」
 僕はその神社が何処かも答えた。
「あそこに行きました」
「左様ですか」
「ニキータさんと一緒に行って途中で円香さんとも合流して」
「あの方は神社の娘さんですから」
「はい、神社のことにも詳しくて」
 それで、とだ。僕は畑中さんにさらにお話した。
「その時に色々お話を聞きましたけれど」
「それもまたいいことですね」
「そうですね、神様のことを聞くのも」
「まことに」
「はい、ただ」
「ただ?」
「学校の神社でも話したんですが」
 神主さんからもお話を聞いてだ。
「それで思ったんですが八条家の宗教は天理教ですよね」
「はい、そうです」
「あの、それで」
「それでとは」
「宗教、神様も仏様も信じない人もいますよね」
「おられますね、無神論ですね」
「共産主義でもそうですね」
 僕はこの思想の名前も出した。
「あの思想でも」
「そうです、共産主義は宗教を否定しています」
「それはどうなんでしょうか」
「その思想の考えですから」
 畑中さんは僕にこう答えてくれた。
「ですから」
「だからですか」
「私はそれも人の考えだと思います」
「その人のですね」
「そうです、ですが私は違います」
 畑中さんはというのだ。
「神社にもお寺にもお参りしています」
「そうですか」
「そして天理教の教会にも出入りしています」
「八条分教会ですか?」
「いえ、別の教会です」
 あの天理教の教会ではないというのだ。
「同じ神戸市の教会ですが」
「また別ですか」
「実は父が天理教の人だったのですが」
 それでもというのだ。
「八条分教会のある奥華大教会とは別の大教会の系列でして」
「それで、なんですね」
「はい、天理教の教会にも参拝させてもらいますが」
「八条さんじゃないんですね」
「そうです」
「成程、そうなんですね」
「同じ八尾市にある大教会の系列ですが」
「ああ、あそこですね」
 八尾市と聞いてだ、僕はすぐにわかった。大阪府八尾市には奥華以外にももう一つかなり大きな大教会があるのだ。
「あそこはまた」
「大きいですね」
「歴史もありますしね」
「はい、そちらの系列の教会です」
「そうだったんですね、畑中さんも」
「実は年に何度か帰っています」
 微笑んでだ、畑中さんは僕にこうも話した。
「おぢばに」
「そうなんですね」
「毎月といきたいですが」
 おぢばとは天理教で言う天理市のことだ、天理教ではあの街に人類発祥の地があると考えていて天理市に行くことをおぢばに帰ると言うのだ。
「そこまではです」
「難しいですよね、それは」
「どうしても。ですが」
「年に何度かはですか」
「はい、帰っています」
 そうだとだ、畑中さんは僕に話してくれた。 
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