八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十六話 勝利祈願その十一
「同じと言ってもいいね」
「違う宗教でも一緒になってるんだ」
「そうもね」
「ううん、何か不思議だね」
「よく外国の人に言われるよ、日本の宗教はね」
「神道と仏教が一緒にあって」
円香さんもニキータさんに話した。
「別々だけれど」
「混ざり合ってもいて」
「一緒に存在しているのよ、日本に」
「そうなのね」
「そう、それとね」
「それと?」
「日本ではね」
円香さんはニキータさんにさらに話した。
「その二つの宗教が対立せずに仲良く一緒にあるから」
「喧嘩しなかったの?」
「仏教が最初入って来た時は受け入れるかどうか揉めたけれど」
丁渡飛鳥時代のことだ、それで蘇我氏と物部氏の争いにもなった。
「けれど聖徳太子が神も仏も敬えって言って」
「それでそれからなの」
「一緒に信仰される様になったの」
「そうなのね」
「だからこの学校でもね」
八条学園でもというのだ。
「神社とお寺も一緒にあるの」
「それで仲がいいのね」
「それとね」
「それと?」
「キリスト教もあるけれど」
円香さんはこちらの宗教の話もした。
「うちの教会カトリックもプロテスタントもあるから」
「そういえば両方の教会あるね」
「正教もあるから」
「ああ、ロシアとかの」
「うちのアパート正教の人はいないけれど」
ロシアやポーランドの人がいないからだ、ギリシアからはじまる正教は東欧やロシアといったスラブ圏の宗教だ。
「正教の教会もあるよ」
「色々あるのね」
「天理教の教会もあるから」
「日本の宗教の一つだね」
「そうよ、そちらの教会もあって」
「皆仲良くやってるよ」
神主さんはにこにことしてニキータさんに話した。
「よく集まって飲んでるよ」
「神父さんとも?」
「長い付き合いでね、祖父さんの頃から」
「ふうん、そうなの」
「うちの娘も可愛がってもらってるよ」
「キリスト教の神父さんが巫女さん可愛がるの」
「そうだよ、こっちの神社にシスターが来ることも多いよ」
キリスト教のその人がというのだ。
「それで楽しくお話したりもしてるよ」
「仲悪くないのね」
「全くね」
「キリスト教ともなんて」
「それが日本なんだよ」
即ち日本の宗教だというのだ。
「あらゆる宗教があってね」
「そしてなの」
「特に揉めることなく過ごしているよ」
「ううん、じゃあ僕がこうして神社に来てお話を聞いても」
「日本では何の問題もないよ」
それも一切、というのだ。
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