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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四十六話 勝利祈願その十

「あらゆることはですわ」
「いいことに使うか悪いことに使うか」
「それ次第ですわ」
「使う人のね」
「神道の教えも」
「いいことに使えばね」
「いいものになりますわ」
 こう落ち着いた声で言った。
「それで」
「そうよね、じゃあ神社見えてきたし」
「はい、お話を聞きに参りましょう」
「日本の神様と仏様のことをね」
「これから」
 こうしたことを話してだった、僕達は学園の中にある神社に入った。そしてそこで神主さんと会うのだった。
 僕達は神社の中に案内された、そして。
 その中でだ、三人で神主さんに会ってお話を聞いた。神主さんは穏やかな外見の初老の人だった。その人がお話することは。
「違うものだけれどね」
「それでもなの」
「同じ存在になってるね」
「うん、それね」
 ニキータさんは円香さんに顔を向けて神主さんに答えた。
「この娘から聞いたよ」
「お話させてもらいました」 
 円香さんも神主さんに話した。
「ある程度は」
「そうなんだね」
「それでね、神主さんの話も円香さんの話もね」 
 そのどちらもというのだ。
「一緒だったよ」
「そうだね、神と仏は違うけれど」
「同じ存在と思われてるんだね」
「日本ではね」
「そこが面白いよ」
 ニキータさんは微笑んで腕を組んだ姿勢で話した。
「他の国にはあまりない考えだから」
「ブラジルとかだね」
「うん、ないよ」
 実際にブラジルではそうだというのだ。
「だから面白く感じるの、ただ」
「ただ?」
「ええと、日本の天皇陛下だけれど」
「そう、陛下と皇室の方々が神道の宗家にあたるよ」
「一番偉い人って言ってもいいよね」
「そうだよ」
「けれど昔は仏教のお坊さんにもなってたよね」
 ニキータさんはこのことについてもだ、神主さんに尋ねた。
「あれはいいの?」
「日本ではね」
「いいんだ」
「そうだよ、神道を信じてもいいけれど」
「仏教もなんだ」
「信じてもいいから」
「つまり二つの宗教を一緒に信じてもいいの」
 ニキータさんは神主さんにこのことを尋ねた。
「そうしたことをしても」
「日本ではね」
「ふうん、それで天皇陛下も出家したんだ」
「そうだよ、譲位されて」
「天皇の位を他の人に譲って」
「出家されて法皇になられたんだよ」 
 出家された上皇の方を法皇と呼ぶ、ローマ法皇とはまた別の存在で後白河法皇が一番有名な方であろうか。
「僧侶にもなってね」
「神主で僧侶になる」
「そうなってもいいんだ」
「日本ではそうなんだね」
「日本の神様が仏教ではどういった仏様になるとかいう話もあるし」
「ああ、一緒なんだ」
「そういう話もあるから」
 この話は僕も知っている、日本の神様が仏教の仏様の誰になるかという説だ。この説も考えてみると凄いものだ。 
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