八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十六話 勝利祈願その三
「そしてお話を聞いていますの」
「神社の娘さんが行き来してもいいんだね」
「何も言われません、むしろ実家の父や母から言われていますの」
「そうした教会にも行けって?」
「はい、そしてお話を聞く様にと」
「他の宗教の勉強の為にだよね」
「その通りですわ」
僕の問いににこりと笑って答えてくれた。
「だから教会にも行きますの。勿論お寺にも」
「一番よく行くのはやっぱりお寺?」
「はい、それと天理教の教会にも行きますわ」
「学園の中にも教会あるしね、天理教の」
そして教会長さんとご家族が住んでいる。僕も会ったことがあるけれどとても穏やかでいい人達だ。
「それでかな」
「はい、それと実家にいた頃は」
「奈良の天理教の教会にも行っていたんだ」
「あと天理市の天理教本部にも」
「あの凄く大きい神殿にだよね」
「あそこにも何度か行っていますわ」
奈良県に住んでいるからだと思った、話を聞いて。
「非常にいい場所ですわ」
「そうだよね、僕もあそこに行ったことがあるよ」
「美和さんもですの」
「あと大教会にも」
天理教にはこうした場所もある、その本部の下に何でも百五十位あるらしい。
「奥華っていうね、八尾にある」
「奥華、ですの」
「うん、天理教奥華大教会っていうんだ」
「八尾市にありますのね」
「そこに行ったことがあるんだ、八条家は八条分教会の信者であの教会は奥華大教会の直属教会だから」
「それで、ですの」
「その大教会にも行ったことがあるんだ」
親父が車で連れて行ってくれた、親父が来たら何か天理教の人達が親父に何かと声をかけてくれていた。
「あそこにも」
「そちらの大教会のことは存じませんが」
「天理教の教会にもなんだ」
「お邪魔していますわ」
「そうなんだね」
「奈良県は神社仏閣、そして天理教の教会も多いので」
歴史が古いせいだと思った、奈良県は京都府と並ぶ古い神社仏閣の密集地だ。とかく古いお寺や神社があちこちにある。
「東大寺や春日大社、長谷寺と」
「行ってるんだ」
「そして勉強しておりますの」
「成程ね、それでお寺にだね」
「一番多く通っていますの」
「そういえばお坊さんってあれよね」
ニキータさんがここでこんなことを言って来た。
「皆が皆髪の毛剃ってる訳じゃないね」
「はい、昔はそうでしたが」
「今は違うのね」
「そこは宗派によりますわ」
「そうなのね」
「剃らない宗派もありますの」
このことは僕も知っている、中にはオールバックはおろか髪の毛の色が何色にもなっているお坊さんまでいる。
「日本では」
「成程ね」
「あと今は仏教の方も家庭も持てます」
「それカトリックもよ」
ニキータさんは明るく円香さんに返した、僕達はもう神社の中で三人で歩いている。それで戦勝祈願に戦いの神様を祀っている場所に向かっていた。
「実はね」
「実は、なのですね」
「うん、そういう人いるよ」
こう笑って円香さんに話していた。
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