歌集「春雪花」
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連なりは
淋しさ覚ゆ
今となり
雨雲流る
空を眺めし
連綿と続く時…日々もまた淋しさを感じる今に集約され、それもまた流れ流れて過去となり…。
肌寒い秋の雨空にはゆっくりと薄い雨雲が流れ、そんな憂鬱な空を一人…眺めるだけ…。
長々と
秋雨落つる
寝覚月
垂れし稲穂の
露も払えぬ
秋となり、早いところでは稲刈りの準備を始めている。
秋の長雨は、段々と日が短くなっている時季を際立たせ、その雨は色づいた稲穂を濡らし続けている…。
彼がここからいなくなったのは三月…未だ田植えすら出来なかった時季のこと…。
それがもう九月なのだ…。淋しく…哀しく…苦しんだとしても、時間は容赦なく過ぎてゆくもの…。
また…侘しく長い夜が続くのだろう…。
あの時のように…。
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