歌集｢春雪花｣

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　月もなく

　　秋の夜長の

　　　雨音の

　心に染みし

　　　　君ぞ求むる

　月も雨雲に隠れた闇の夜…｡そんな秋の長い夜に､ずっと雨がそぼ降っている…｡

　その雨音は寂しげで…なんだか心へと染みて､私も淋しくなってしまう…｡

　そんな夜は…彼のことを想い､会いたい…傍にいたい…そう思ってしまう…｡

　叶わぬ夢は…自身に傷をつけるだけで…｡

　秋雨の

　　夜にそぼ降りて

　　　鈴虫の

　鳴きてや侘し

　　　　　君の居ぬ秋

　真夜中…小雨がずっと降り続け､その中で寂しげに鈴虫が鳴いている…｡

　あぁ…完全に夏は終わったんだ…と､なんだか侘しく思い､そして…彼の居ない秋が来たのだと哀しくなった…｡

　否が応にも時は過ぎ去り…ただ､彼との距離は開いて行くだけなのだ…｡

　愛してはくれないと分かっている人を愛すると言うのは…辛い…｡

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