八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第四十三話 朝のランニングその十一
「これでね」
「そうした方がいいネ」
「目覚ましをかけておくといいあるよ」
「じゃあ四時半に起きテ」
「三人で走るある」
「そうしようね」
僕が答えるとだった、二人はまた言って来た。
「あとワタシ達とは別に走ってるけれド」
「沙耶香も起きているあるよ」
井上さんもというのだ。
「走ったりあとお掃除したリ」
「色々やってるある」
「むしろワタシ達よりも早起きヨ」
「まるでお坊さんある」
「何かそこも禅僧の人みたいだね」
井上さんのそのことを聞いてだ、僕はこう思った。
「朝早く起きて修行みたいなことするって」
「そうネ、ブッティストの中でもネ」
「禅宗あるな」
「座禅とかするのよネ」
「沙耶香もそうしているあるな」
「そうみたいだね」
実際にとだ、僕も二人に答えた。
「井上さん本当にいつも自分自身の心身を鍛えてるから」
「ワタシ達はそうした目的で走ってないけれド」
「トレーニングあるよ」
「それと走った後の御飯が美味しいかラ」
「走ってるあるよ」
「そんなワタシ達から見るとネ」
「沙耶香は違うあるな」
同じ早起きにしてもというのだ。
「沙耶香は修行ネ」
「心も鍛える為あるな」
「そうなんだよね、いやあの人はね」
また言った僕だった。
「また違うよ」
「お坊さんネ」
「まさにそちらの人あるな」
「円香は神社の娘さんだけれド」
「沙耶香はお坊さんあるな」
「そうだね、まあお坊さんっていっても色々だけれど」
それこそ徳のあるお坊さんもいれば破戒僧と言っていいお坊さんもいる。このことは他の世界でも同じであるけれど。
「井上さんはいい意味でね」
「お坊さんあるな」
「そうした人だネ」
「いつも修行をして心も鍛えているある」
「そこは凄いよ」
僕はしみじみとしてこうも言った。
「僕もそうしたことはね」
「トレーニングはしてもだネ」
「修行はしないあるか」
「うん、心まで鍛えるっていうのは」
そうしたことを念頭に置いて何かをするということはだ。
「ないね」
「やっぱりそうネ」
「そこは私達と同じあるな」
「うん、スポーツだからね」
バスケもだ、もっとも武道でも最近心を鍛えている人は少なくなったかも知れない。剣道や柔道で障害事件を起こす話を聞いていると。
「心までは、まあとにかく明日は」
「楽しむヨ」
「そうしたものあるよ」
「爽やかに汗をかいテ」
「それから美味しい朝御飯を食べるある」
その為に走るというのだ、身体を鍛えることと共に。
「じゃあ明日ネ」
「四時半あるよ」
二人で僕に言ってだった、そうして部屋を後にした。僕も一人に戻ったところで自分の部屋に戻って寝た。目覚ましを四時半にセットすることも忘れずに。
次の日の朝目覚ましで起きてすぐにだった、僕はジャージに着替えて外に出た。するともう二人はそれぞれのジャージを着てだった。
準備体操をしていた、僕はその二人にまずは挨拶をした。
「おはよう」
「おはようネ」
「おはようある」
二人はそれぞれの個癖のある日本語の挨拶で答えてくれた。
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