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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四十三話 朝のランニングその十二

「それじゃあ今からネ」
「走るあるよ」
「準備体操をしテ」
「行くあるよ」
「うん、準備体操はしないとね」
 僕は実際にまずはアキレス腱を伸ばしつつ応えた。
「怪我をするからね」
「まずは準備体操ヨ」
「それからある」
「そうなんだよね、身体を動かすとなると」
「絶対に身体を整える為ニ」
「準備体操ある」
 それが絶対だというのだ、このことは僕も同じだ。
「さもないとネ」
「本当に怪我するあるよ」
「だからいいネ」
「義和もやるよろし」
 実際にとだ、こう話してだった。
 二人は準備体操を終えた、そして。
 僕もすぐに準備体操をした、そうして三人で走りはじめた。
 二人のペースは速かった、朝の神戸をかなりのペースで走る。まだ車は少なくて牛乳や新聞配達の人がいる。
 それ以外の人はいなくてだ、僕は二人についてきながら言った。
「まだね」
「まダ?」
「まだあるか」
「うん、朝早くてね」
 それでとだ、僕は言った。
「人もあまりいないね」
「世の中はまだ起きていないのヨ」
「これから起きるあるよ」
 まさにこれからというのだ。
「朝になっテ」
「お日様も登ってある」
「ゆっくりと目が覚めるのヨ」
「これからそうなるあるから」
「それでまだ静かで」
 僕もここで言った。
「そしてだね」
「その起きる中をネ」
「走るあるよ」
「これがまたネ」
「気持ちいいあるよ」 
 二人は笑ってこうしたことを話しながら走っていた、僕も走っていたけれど。
 追いつくので精一杯でだ、二人に尋ねた。
「走るペースだけれどいつもこうなの?」
「うん、そうヨ」
「これが普通ある」
「少し速い時や遅い時もあるけれド」
「今日は普通のペースあるよ」
「そうなんだ」
 僕は二人の平然とした返事に驚いてこうも言った。
「これが普通って」
「いや、義和も毎日走ってるじゃなイ」
「部活して走ってるあるな」
「それはそうだけれど」 
 それでもとだ、僕は答えた。
「これ位速くはね」
「それは慣れていないからヨ」
「この時間に走ることがある」
 二人はそのペースで走りながら僕に答えてくれた。
「義和いつももっと遅くに走るネ」
「この時間いつも寝ているあるな」
「だから身体がまだ慣れてなくテ」
「走るのが辛いあるよ」
「そうなんだ、じゃあ慣れたら僕も」
「もっとネ」
「速く走られるあるよ」 
 そうだとだ、僕に言ってくれた。
「じゃあここはペース落とス?」
「義和が辛いならそうするあるが」
「いや、いいよ」
 僕は二人の走るペースを落とそうかというその申し出は断った。 
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